バカ犬

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「選挙のおかげです」

2007-07-15 | Weblog
「選挙のおかげです」

テレビを見ていたら思わず笑ってしまった。まさに実感がこもっていたからだ。
年金記録の記録漏れで、急遽立ち上げた第三者委員会が第一号として認定した年金記録の訂正に応じてもらった主婦の口から出た言葉だった。
これで、彼女はやっと自分の保険料支払いの主張が認められ、年金もがさかのぼって支払われるとことになったという。これ自体はすばらしいことで、これからも続々とこうした申し立てと、裁定が選挙前にに急いで行われるだろうと推測される。

それしにしても、与党の選挙対策が、いろんなところで明らかに点数稼ぎとして行われていると感じることが最近多々ある。

たとえば、大気汚染訴訟での国の譲歩での和解、中国残留孤児への国からの生活支援金の確立、水俣訴訟の和解等、国が従来渋っていた問題が、最近になって当事者にとっていい方向で解決されたことはいいことだ。

しかし、その裏には、国民にアピールできるネタをこの際一つでも多く見つけ出して、与党への支持に結び付けたいとの意図が垣間見える。こうした問題を利用するのは何だか汚く見える。選挙のたびに問題が解決されるなら、ドンドン選挙をやればいいと言うことになる。予算の裏づけはどうなっているのだろうとは思ってしまうが。

政治はもっと根幹の問題にたいして競い合って、国民にアピールすべきだと思う。
抽象的なきれい事ではなく、10年後、20年後、日本をどのような国に持っていくのか、その方向性を示してして欲しい。将来が全く見えない。

勿論日本の抱える今日的な問題をどのように考えてどのような手立てを打っていくのかも大切ではある。年金の問題はほんの一つの切り口でしかない。

基本には、今は世界第二位の経済大国という思いがあって、それに引っ張られていろんな議論がされているが、本当は非常に脆弱な国の基本を認識しなくてはならないと思う。

たとえば、日本には資源がない。人的資源しかない。エネルギーも原材料も食糧も全て輸入だ。
グローバルな競争の中で、日本の独自の強みをどの領域に作って国をどう運営していくのか?
従来からの製造業に依存していくのか?なにか新しい分野で独自性を発揮して国を運営していくのか?世界にはいろんな独自性にもとづく国家運営のサンプルがいくらもある。

これらの将来像を現実化していくための、環境として次のような論点が出てくると思う。

防衛戦略はアメリカ依存一辺倒でいいのか?
アジアとの関係はどうするのか?
少子化問題、高齢化問題にに対してどのような社会保障制度を考えるのか?
人的資源については教育、外国人労働者を含めてどうするのか?
国の運営という観点から地方と都市の関係をどう設計するのか?
そして、世界一の借金国をどのように解消していくのか?

まずは身の丈の日本の現実を認識した、各党の日本の将来のグランド・デザインを、見せて欲しい。