バカ犬

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たけしさん、本当の自分の意見は…?

2008-11-23 | Weblog
昨夜(11/22)、フジテレビ系の「たけしの日本教育白書 」を見た。
今の教育の抱える色々な側面を捉えて、ビートたけしと「爆笑問題」の司会で番組を進めるのだが、問題の争点が散らかって、結局なにをいっているのかわからない議論になってしまったのは残念。

いろいろな問題が論じられるなかで、東京都の石原知事、大阪の橋下知事、宮崎の東国原知事の三人も出てきて議論した。

石原さんは、「感性を育む」教育という理念を話した。個々人の個性を伸ばすことを大切にし、画一的な人間を作ることには反対のようだった。戦前、戦後の両方の教育の実体験を踏まえての発言だった。

しかし、振り返って東京都の教育方針はどうなっているのかといえば、上意下達の意図が強い。
このことは、この番組でも取り上げられた。

それを推し進めているのは東京都教育委員会の中村教育長。
この人は、番組の招待にもかかわらずに出てこず、石原さんとの直接対話が見られなかったのは残念だった。
中村教育長こそ、学校現場に強制の網をかけた人。
たとえば、学校行事に「国家の斉唱と国旗の掲揚」を義務付け、それに反した教諭たちを処罰している。
さらに最近は、学校の教職員会議を学校行事の物事を決める場ではないとの通達を出し、校長の一人・リーダーシップを唱えている。

こんな教育長の下で、学校長は部下の先生方にどう接するのかは、自ずと見えてくる。
こんな環境では、教職員は自由な発言は出来ないし、学校の運営そのものに自分が関与できないことになる。自由なアイデアや発言は影を潜め、校長の言いなりで事を荒立てまいとするに決まっている。何しろ、先生自身の首や評価がかかっているからだ。

こうした風潮は、先生の学級運営にも色濃く出てくるに違いない。そこには、感性豊かな、個性を伸ばす教育なんて実現できないし、子供たちはそれこそ「空気」を読んで、自分の意見を自由に前面に押し出すことを躊躇させることになるだろうと容易に想像できる。豊かな感性などとても入り込める素地は無くなる。

感性・個性を育てる教育という石原さんの教育理念が、東京都の教育現場ではまさに否定されているではないかと思ってしまった。中村教育長の任命権者は石原さんその人。こうした矛盾を誰かに突いて欲しかったけれど、たけしは何も突っ込まないし、大田がチョッと突っ込もうとしても、たけしはチョッと照れて自分のエピソードを持ち出して論点を散らかしてしまう。

たけしは、自分は本当はなにを考えているのか、言葉ではほとんど明らかにしないように見える。それは、この番組のみならず、テレ朝の政治討論(?)番組でも、TBSのニュース・チャンネルでも見受けられる。たけしさん、ちゃんと自分の意見も出してよと言いたい。

結果、なんとも消化不良な番組だった。