このコラムでも過去、中国の長期的な拡張主義について述べてきた。
中国の最終的な目標は、「中華思想の実現」だ。
すなわち、世界の中央に漢民族を中心とした中華圏をつくることだ。
これは、何も今始まったことではない。
紀元前200年位から存在し始めた思想で、中国を中心として、その外の国、地域を包括するのは漢民族だという思想だ。
その範疇に、東夷、北狄、西戎、南蛮が定義され、日本、韓国は、この東夷に含まれる地域なのだ。
現実に、尖閣諸島問題はその表れの一端に過ぎない。北朝鮮は、実質、中国の属国でもある。
さらに、北への拡張では、新疆自治区の問題を起こし、西への拡張ではチベット自治区として中国の影響下に置いている。
また、南蛮では、フィリピン、ベトナムなどの国たちと領有権問題を起こしている。
この延長線上にあるのが、南太平洋だ。
中国がミクロネシアに、こんな地位を築いているとは知らなかった。
最終的には、太平洋で2大超大国、アメリカと中国のつばぜりあいが予想されるわけだ。
日本はこうした、中国の拡張主義にどう対応していくのかを考えなくてはならないはずだ。特に防衛の考え方では、アメリカは最終的にはグアムまで引く可能性が高いと言うことだ。
2013年7月1日 朝日新聞
(攻防太平洋 米中のはざま)グアムへじわり 中国
国内の能天気を転換して、少し、広く鳥瞰してみてはどうだろう。