紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

署名お願いします!

2006-07-08 23:51:40 | ノンジャンル
 いよいよこの季節がやってきた。私学に補助金をください!と国や県にお願いする署名活動の署名用紙が、どーんと入った大きい封筒がやってくる季節。それもダブルで。子どもの数だけ。

 さまざまな税金請求がやってくるのに先立って、学費がカタマリで銀行口座から落ちていく日のカレンダーには、お札に羽が生えて飛び去っていく絵がかかれ、H氏のボーナスが入って来るまでは、ケチケチ大作戦の日々が続く。
 そんな日々の内でも、とりわけどん底の巡り合わせでお誕生日があるKちゃんはやはり気の毒だ。「補助金ください」の署名はがんばって集めないと、と思う。

 去年は9月に駅前街頭署名活動のお手伝いに行った。仕事柄、見ず知らずの人に話しかけることもあるので、初心者の方よりは抵抗がないかもしれない。

 もちろん不愉快な事を言われたり、完全無視され足早に通り過ぎられたりすることは多々ある。落ち込まないために、それが「普通」だと思うようにしているし、たぶん本当にそうなんだと思う。

 でも限られた時間に署名は集めたいという野心はある。それにうれしいことだってあるのだ。そんな活動には無縁にみえる若い人が気軽に記名してくれたり、「私も子どもが学校に通ってる時はしてましたから、がんばってください」と励まされることもある。

 大笑いだったのは、上品な年配の女性グループに声をかけたとき。

「わたしたち、友達を待ってるんですけど・・・」と、戸惑い気味に「おことわり」な空気をかもす一人に、そうはさせじと
「じゃあ、待っている間に署名してくださいよー」と強引にお願いしてみる。他のメンバーが気さくで明るい雰囲気だったので、「じゃ、いいわ」ということになり、5名ほどの方が署名してくださった。ラッキー!

「ところで」とリーダー格の女性がにこやかに紙袋から本をとりだした。「さっき、この本を図書館に寄贈してきたの。素晴らしいことが書いてあるので、あなたにもあげます。ぜひ読んでくださいね」・・・えっ?

 そういえば「○○の科学」という「のぼり」が近くにたち、駅前イベントが行われるみたいだった。もちろん学研の学習雑誌促売活動ではなく、宗教勧誘活動である。

 署名をいただいた手前、にこやかに頂いたものの、1年近くたつというのに、まだビニールの手提げに入ったまま置き場に戸惑っている2冊の本なのである。

 自分の日常をはみ出たボランティアは、かようにドラマチック!?でもあるのだ。
 自分のしたいことだけする人や、したくない事に手を出さない人は、こんな人生の味を知らずに一生を終えるのかと思うと、やや淋しい。きっと余計なお世話なんだろうけどね。