紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

ロシアより愛をこめて

2006-07-27 22:55:37 | ドラマ
 21世紀に「黒船」が来た、と驚愕した。それも、ロシアからの文化的黒船。

 船に積んでいるのは、ラブ&ピースと美しいもの。それが形になっていることも、いくつかの具体的な情報も、漏れ聞くーというか読むー事はあったけれど、実際日本で目にする事は無理だろうと、すっかりあきらめていた。そしたら、目にするチャンスが訪れるかもしれない、という希望が突如降って来た。

 今日の朝日新聞の文化欄をみたとき「ええっ!?」と思わず小さく叫んだ。こんな見出しが目に入った。「終戦前後描く映画『太陽』 来月公開」

 来月公開!? うそーーー!!!

「終戦間際から人間宣言にいたる昭和天皇の日常を描いた映画『太陽』が8月5日、東京などを皮切りに順次、各地で公開される」

 即刻、京都の映画館を検索してみる。京都シネマの1件だけフィットした。でも上映日は未定でComing Soon。

 『太陽』の監督はロシアのアレクサンドル・ソクーロフ氏。ヒトラーを独自の構想で描いた『モレク神』、レーニンの孤独を描いた『牡牛座』、そして今回の『太陽』と権力者を描くシリーズのひとつである。

 とはいえ、あちこちのブログやサイトを見ると、歴史ものっぽい視点ではなく、静かで淡々とした画面ながら、ハイレベルなユーモアやあたたかい人間らしさに満ちているらしい。単なる勘だけど、この映画にイデオロギーは似合わないような気がする。もっと「別の場所」で作られているような気がする。普通の映画を観たいのと同様の気持で、かなり観たい。

 昭和天皇には、イッセー尾形、皇后には桃井かおり、侍従長には佐野史郎という、あまりにもはまったキャスティング。

 新聞記事によると、やはり映画祭でこの映画に日本からのオファーはなかったという。この映画を共同で買い付けてくださった勇気ある配給会社さん、そして上映してくださる映画館のマネージャーさんやスタッフの皆さんに、深く感謝したい。