先週の金曜のこと。Kちゃんの絵画教室の間、どうやって時間を埋めるか迷っていた。読まなければいけない本や、やらなければいけないいくつかのことを織り交ぜつつ、学校の近くの町家のギャラリーにいってみようと思い立つ。2回目の訪問になる。
古い町並みの観光地から少し離れた、地元の人しか通らないような細い路地に面した昭和初期の懐かしい町家は、前を通ってもまさかギャラリーだとは気づかない。
そもそも昨年、学校の自由参加の穴窯教室を見に行ったとき、たまたまいらっしゃった「益子で作陶している韓国人の陶潔ニ」通称「ヨン様」が、「NO-MA」に行きたいけど、どうしても場所がわからない、というので、案内人に名乗りを上げたのが「ボーダレス・アートギャラリーNO-MA」への第1回訪問だった。
この「ヨン様」は「赤井英和似の通称だけのヨン様」である。よく考えれば初対面でいきなり手を挙げないだろー、というようなもんだが、その時は「一回行ってみたい場所だったから」という思いだけで、見ず知らずの韓国人男性とギャラリーデートをしてしまった訳である。日本語はぺらぺらの方なので、言葉も大丈夫だし。
親切に案内して下さるスタッフの方に、「どうしてそんな暗いカオをして仕事をしているんですか?」というようなつっこんだ質問をされる「ヨン様」に、内心はらはらどきどきしつつ、「わあ、やっぱり大陸的だなあ~」と感心もする。
一方スタッフの方も実に誠実で、丁寧に仕事に対する思いなどもうちあけてくださった。障害者アートの展示を中心とする施設なので、唯一の福祉関係の専門職である自分が、キュレーターが活躍する場所にいることへの戸惑いなどを素直に語ってくださった。
もう、この時点でいっぺんにここのファンである。素直で正直な人に弱いのだ。
町家のギャラリーは、いい。前庭があり、坪庭があり、ショウギがあり、土蔵があり、塀がある。畳があり、欄間があり、障子があり、ちゃぶ台がある。ちゃぶ台に座れば、お茶を出してくださり恐縮。親戚の古い家に上がり込んでくつろぐ感じだ。いや「親戚」に気を遣わなくていい分、それ以上にくつろげる。くつろぎながら、のんびりとアンケートに記入してみる。お客は私ひとり。たっぷりと和んだ。
私にはアウトサイダーアート(障害者アート)は、いまのところ残念ながら積極的に好きとはいえないけれど、少しだけ面白いかも、という程度には馴染んで来た。展示物はいまひとつわからないが、喫茶店よりも低価格で和める場所であることは確か。町家カフェより静かでゆったりできそう。
その秘密は、場所にぎっしりと作品が詰め込まれるのでなく、「町家」の空間にとけ込む工夫に満ちた、絶妙のバランスで展示されているからだろう。釣り糸で天井からぶら下げたり、モノによっては、窓のレール上や屋根の上なんかにも針金でくくりつけてあり「ウォーリーを探せ!」状態の時も。遊び心のあるキュレーターパワーにも感心。
私のひとつ前に来て、住所氏名を記名した人は、なんと国分寺から見えていた。遠いやないかー! わざわざここを目的でいらしたのか、観光のついでに立ち寄られたのかは謎だが、絶対マニアックな方だろうとなぜか確信する。
古い町並みの観光地から少し離れた、地元の人しか通らないような細い路地に面した昭和初期の懐かしい町家は、前を通ってもまさかギャラリーだとは気づかない。
そもそも昨年、学校の自由参加の穴窯教室を見に行ったとき、たまたまいらっしゃった「益子で作陶している韓国人の陶潔ニ」通称「ヨン様」が、「NO-MA」に行きたいけど、どうしても場所がわからない、というので、案内人に名乗りを上げたのが「ボーダレス・アートギャラリーNO-MA」への第1回訪問だった。
この「ヨン様」は「赤井英和似の通称だけのヨン様」である。よく考えれば初対面でいきなり手を挙げないだろー、というようなもんだが、その時は「一回行ってみたい場所だったから」という思いだけで、見ず知らずの韓国人男性とギャラリーデートをしてしまった訳である。日本語はぺらぺらの方なので、言葉も大丈夫だし。
親切に案内して下さるスタッフの方に、「どうしてそんな暗いカオをして仕事をしているんですか?」というようなつっこんだ質問をされる「ヨン様」に、内心はらはらどきどきしつつ、「わあ、やっぱり大陸的だなあ~」と感心もする。
一方スタッフの方も実に誠実で、丁寧に仕事に対する思いなどもうちあけてくださった。障害者アートの展示を中心とする施設なので、唯一の福祉関係の専門職である自分が、キュレーターが活躍する場所にいることへの戸惑いなどを素直に語ってくださった。
もう、この時点でいっぺんにここのファンである。素直で正直な人に弱いのだ。
町家のギャラリーは、いい。前庭があり、坪庭があり、ショウギがあり、土蔵があり、塀がある。畳があり、欄間があり、障子があり、ちゃぶ台がある。ちゃぶ台に座れば、お茶を出してくださり恐縮。親戚の古い家に上がり込んでくつろぐ感じだ。いや「親戚」に気を遣わなくていい分、それ以上にくつろげる。くつろぎながら、のんびりとアンケートに記入してみる。お客は私ひとり。たっぷりと和んだ。
私にはアウトサイダーアート(障害者アート)は、いまのところ残念ながら積極的に好きとはいえないけれど、少しだけ面白いかも、という程度には馴染んで来た。展示物はいまひとつわからないが、喫茶店よりも低価格で和める場所であることは確か。町家カフェより静かでゆったりできそう。
その秘密は、場所にぎっしりと作品が詰め込まれるのでなく、「町家」の空間にとけ込む工夫に満ちた、絶妙のバランスで展示されているからだろう。釣り糸で天井からぶら下げたり、モノによっては、窓のレール上や屋根の上なんかにも針金でくくりつけてあり「ウォーリーを探せ!」状態の時も。遊び心のあるキュレーターパワーにも感心。
私のひとつ前に来て、住所氏名を記名した人は、なんと国分寺から見えていた。遠いやないかー! わざわざここを目的でいらしたのか、観光のついでに立ち寄られたのかは謎だが、絶対マニアックな方だろうとなぜか確信する。