最初は新聞書評欄を読み「ううむ」と魅き付けられた。次に書評誌『ダヴィンチ』で絶賛されていたので、「もうこれは、買うしかない」と即刻本屋さんのハシゴをした。『大阪ハムレット 1巻』は大当たりだった。森下裕美/作 双葉社/刊。いくつかの話が入ったマンガの短編集。
その内のひとつは、複雑な家庭環境の「ユキオくん」が「ハムレットに似ている」と先生が口をすべらせてしまったのを又聞きして、直感的に「悪口」と理解し、先生をギタギタにのしてしまった。ユキオくんのお母さんは、夫の死後すぐに男を家につれてきて同居してしまったのだ。
もっとも、お母さんは天真爛漫で、男の方も彼女にワをかけて単純だ。ひたすら大好きな人達と、色違いのおそろいの持ち物を持ちたがる、ちょっとハタ迷惑かもしれない男。
先生のひとことから、ぐんぐんと悩みの穴におちていくユキオくんだが、シンプルでナイスな結末がいい。
色んなことが原因で悩みまくる人々が主人公のマンガである。ディープな大阪弁が駆使され、テンモェあり、大笑いしながらもホロリとさせる。思いっきり主人公達に寄り添って読み進んでしまう。
なによりすごいのは、登場するキャラたちの器の大きさ、包容力の深さ、自分の足でしっかと大地に立ってる感がありありと伺え、内向きにパワフル。ああ、芯が強いっていう言葉があったっけ、それそれ、それです。
表情ゆたかで、こそっと名言を吐く脇役のキャラのヒト達もいい。万人におすすめできる1冊。1ミリの隙なく、心のストライクゾーンにバシッと気持よく入って来る。
しんどいこともあるけど、見ててくれる人はちゃんとおるし、まだまだへこたれへんでー、というところか。「ひととつながっている」「自分に正直に生きる」のがどういうことなのかを、きっちりみせてもらえるのが、このマンガのツボかも。
ちなみに私が一番好きなキャラは中学3年生にして、23歳のお姉さんを好きになってしまい、めでたくお付き合いする事になったまさしくん。フケ顔の上、やたら渋い趣味で、よく気の付くやさしい「大人」の男なのだ。めちゃめちゃいい男ですよ、15歳ながら。不思議に本物の大人の男に、彼ほどの大人げあるヒトは、めったにいないだろう、いやほんと。理想の男ですよね(と、つい女性に同意を求めてしまう)。もしこういうヒトがいたら、迷わずすぐさま結婚しちゃうね。(もうしてるけどね)
・・・で、今また読み直しながら、うるうるきてます、はい。何回読み直しても、その都度笑って、泣いて、感動できるから、ブックオフには並ばないだろうな、これはきっと。
まごうかたなき名作です。
その内のひとつは、複雑な家庭環境の「ユキオくん」が「ハムレットに似ている」と先生が口をすべらせてしまったのを又聞きして、直感的に「悪口」と理解し、先生をギタギタにのしてしまった。ユキオくんのお母さんは、夫の死後すぐに男を家につれてきて同居してしまったのだ。
もっとも、お母さんは天真爛漫で、男の方も彼女にワをかけて単純だ。ひたすら大好きな人達と、色違いのおそろいの持ち物を持ちたがる、ちょっとハタ迷惑かもしれない男。
先生のひとことから、ぐんぐんと悩みの穴におちていくユキオくんだが、シンプルでナイスな結末がいい。
色んなことが原因で悩みまくる人々が主人公のマンガである。ディープな大阪弁が駆使され、テンモェあり、大笑いしながらもホロリとさせる。思いっきり主人公達に寄り添って読み進んでしまう。
なによりすごいのは、登場するキャラたちの器の大きさ、包容力の深さ、自分の足でしっかと大地に立ってる感がありありと伺え、内向きにパワフル。ああ、芯が強いっていう言葉があったっけ、それそれ、それです。
表情ゆたかで、こそっと名言を吐く脇役のキャラのヒト達もいい。万人におすすめできる1冊。1ミリの隙なく、心のストライクゾーンにバシッと気持よく入って来る。
しんどいこともあるけど、見ててくれる人はちゃんとおるし、まだまだへこたれへんでー、というところか。「ひととつながっている」「自分に正直に生きる」のがどういうことなのかを、きっちりみせてもらえるのが、このマンガのツボかも。
ちなみに私が一番好きなキャラは中学3年生にして、23歳のお姉さんを好きになってしまい、めでたくお付き合いする事になったまさしくん。フケ顔の上、やたら渋い趣味で、よく気の付くやさしい「大人」の男なのだ。めちゃめちゃいい男ですよ、15歳ながら。不思議に本物の大人の男に、彼ほどの大人げあるヒトは、めったにいないだろう、いやほんと。理想の男ですよね(と、つい女性に同意を求めてしまう)。もしこういうヒトがいたら、迷わずすぐさま結婚しちゃうね。(もうしてるけどね)
・・・で、今また読み直しながら、うるうるきてます、はい。何回読み直しても、その都度笑って、泣いて、感動できるから、ブックオフには並ばないだろうな、これはきっと。
まごうかたなき名作です。