花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

春待ちプランター

2019年01月02日 | 園芸科学科
園芸科学科の草花温室。
ずらりと並んでいるのはプランター。
名久井農業高校のステッカーの貼ってあるオリジナルです。
ここに書かれている文字「緑育心」こそ
名農の第二の校訓ともいえる緑化活動のキャッチフレーズ。
名農生なら知らないとモグリといわれるほど愛されている言葉で
「緑は心を育てる」という意味です。
名農はこのようなプランターに花を植えて
5月と10月の2回、地域の公共施設などに設置しています。
校内だけでなく地域も緑にしようと何十年も続けている活動は、
昭和の時代に総理大臣賞に輝き
地域の皆さんとともに大いに喜んだものです。
そういうことから名農の代名詞となった「緑育心」。
受賞から30年経った今でも、心と活動は生き続けています。
きれいに洗われ来春の出番を待つプランター。
5月中旬頃から八戸駅などにも
たくさん設置されるのでぜひご覧ください。
コメント

冬は読書

2019年01月02日 | 研究
長年、植物研究をしてきたチームにとって雪の積もる冬は
何もできない退屈な季節と思われがちですが、実は違います。
春になったらこんな植物を育ててみようとか
今年はこんなアイデアで研究しようなど妄想を巡らす楽しい季節なのです。
そんな植物を愛する人々の思いを代弁している書籍がこの「園芸家の1年」。
「園芸家12カ月」という書名でも知られたカレルチャペックの代表作です。
チャペックはチェコの作家でロボットという言葉を最初に使った人でも有名ですが
今から100年も前に書かれたこの本が、園芸家というオタクの生態を
まさに絶妙な言葉で面白おかしくいい当てています。

「木炭を加えるべきだという人もいれば、それを否定する人もいる。
黄色い砂は鉄分が含まれているそうだから、少し加えることをすすめる人もいるが
一方、鉄分が含まれているそうだからという単純な理由で
黄色い砂を加えるのはやめろと警告する人もいる。
また別の人は清潔な川砂をすすめ、さらに別な人はただ泥炭だけを、
またまた別な人はおがくずがよいという。
要するに、種をまくための土の準備は、大きな秘密で魔法の儀式だ。」

園芸家の馬鹿がつく土へのこだわりが表現されています。
ちなみにこの文章は、数十年も前、かの有名なサントリー「トリス」の広告に引用されました。
もちろん園芸家ではなくモルトにこだわる職人を主人公にしたパロディーとしてです。

チャペックは、園芸家という生き物は来年、10年後、そして50年後と
未来に対して生きていると締めくくっています。
園芸好きでなくても文章が面白いのでぜひ冬休みに読んでみてください。
コメント