花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

安心してください

2019年01月20日 | 
タンカンというミカンです。
もちろん青森県で栽培されたものではありません。
日本の柑橘の産地は温暖な西日本。
そのため青森県にはトラックで運ばれてきます。
しかしいくら物流が発達したとはいえ
青森県に並ぶまでにミカンは乾燥してしまいます。
ひどいものは皮の内側がカサカサになっているものもあります。
昔はこの状態しか知らないので、これがミカンだと思っていましたが
産地に行って食べてみてびっくり。
なんと皮をむくとみずみずしく、皮の内側がしっとりしているのです。
もちろんジュースが多く、味も違います。
今まで食べていたミカンはなんだったのかと驚くほどの違いです。
おそらく関西の方が食べているリンゴも
私たちからみると同じような現象が起きているかもしれません。
鮮度が命の青果物。できれば産地で本当の美味しさを知りたいものです。
さてこのタンカンをご覧ください。皮にススのような黒い小さな斑点があります。
おそらくほとんどのミカンで見ることができると思います。
これは黒点病の症状。糸状菌が原因で発生しますが人には害がありません。
糸状菌はカビなので気温が上がって多湿になると発生します。
したがって梅雨のある日本ではミカンに限らず
糸状菌による病気が発生しやすいのです。
またこれとは別にゴマ状の黒い粒が皮についていることもよくあります。
これはカイガラムシ。害虫ですがこちらも皮をむくので問題ありません。
逆に病斑があるということは、
あまり農薬やワックスをかけていないという安全の証拠でもあります。
安心してください。食べられますよ。
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かっけ

2019年01月20日 | 
地元のスーパーマーケットに行くと、どこの店でも
このような四角や三角の餃子の皮のようなものが販売されています。
これは郷土料理の「かっけ」の材料。
実は10cm角ぐらいのそば生地なのです。
青森県の太平洋側の南部地方は冷涼な気候のため
品種改良や栽培技術が改善されるまで稲作は適さない地域でした。
そこで先人は冷夏にも強いそばや豆類、麦やアワ、ヒエなど雑穀を主食としていました。
そばを食べる際、生地の形を整えるため切り落とされる部分が必ず出ます。
それを先人はそのまま大根なとど一緖に鍋で煮て食べていました。
これが郷土料理「かっけ」で、名前は「生地のかけら」からきているといわれています。
現在販売されているかっけは、このために作られるのできれいな形なのです。
煮えたらネギ味噌やニンニク味噌をつけて食べるのですが
素朴ながらもあたたかくなるので、今も食卓に上がる料理です。
では右奥のかっけをご覧ください。
こちらは色が白っぽいとは思いませんか。
これはそばではなく餃子の皮の同じ小麦が材料。
でも餃子の皮3枚ぐらいの厚さがあるので、
うどんの食感も感じられます。
そういえば誰かがラザニアみたいだといっていました。
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