花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ユニフォームで辿るフローラの歩み 2014

2019年03月23日 | 研究
いかつい顔のハチがプリントされたのは2014年のユニフォーム。
フローラは翌年、新設された環境システム科に完全移籍が決まっていたため
この年は園芸科学科草花班としての最後の年となりました。
そんなこともあって2014年の3年生は園芸科学科、
2年生は環境システム科1回生という混成チーム。
草花などが大好きな園芸科学科の女子から、
植物にはまったく興味がない男子が主役となるため
チームにとっても新しい活動を模索している時期でもありました。
新学科の環境システム科は温室こそあれ圃場を持たない学科。
シクラメンを見たこともない、名前も聞いたことがないメンバーが
フローラと名乗るのにかなり気が引けたのを覚えています。
そこでとった対策が栽培を通して土に触れさせること、
そして2年、3年合同で活動させる機会を設け、フローラの流儀を継承させること。
幸い3年生はその年の農業クラブの大会にサクラソウ研究で出場することが決まっていたため
さっそく2年生に研究や発表のサポートをしてもらいました。
実は園芸科学科最後のフローラメンバーは震災によるサクラソウの緊急保護から
自生地の存続のための保全研究に活動を発展させた立役者。
活動が認められ日本で開催されたアジア国立公園会議に青森県から依頼され、
唯一の高校生として参加し、英語で活動を紹介しています。
このユニフォームは自分たちがポリネーターとなって自生地を守るという
決意が込められていますが、怖い顔だったので女子には少し不評だったようです。
この他にも地球環境大賞で文部科学大臣賞を受賞し秋篠宮殿下にご挨拶したり
毎日地球未来賞でも最高賞を受賞、さらにNHKあさチャンに出演するなど
園芸科学科最後の活動を華やかに展開しました。
驚くことにサンパチェンスという草花を使った水質浄化システム
「バイオエンジン」開発に着手したのも彼女たち。
彼女たちの2014年モデルであるTYPE1は
植物ホルモンを制御する薬剤で浄化力をあげる仕組み。
まだプロトタイプではありながら、水質浄化活動で新聞に何度も取り上げられる先輩の姿を見て
環境システム科1回生の男子たちは大いに憧れたものです。
のちに環境システム科に完全移籍した新生フローラによって大き花開くバイオエンジンは
このようにして生まれ、引き継がれていったのです。
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木の芽起こしの雨

2019年03月23日 | 学校
まだ雪がちらつくことはありますが
その多くが雨に変わりつつあります。
北国の青森ではちょうど木の芽が膨らんでくる頃。
木の芽起こしという表現がぴったりの雨です。
さて2019年の夏は気温が低くなるという予報が出ています。
エルニーニョ現象が夏まで続くと考えられているからです。
とはいっても最近は水稲の収量が大幅に減るほどの冷害には遭遇していません。
おそらく今の高校生は冷害については、まったくイメージがわかないと思います。
記憶に残る冷害は1993年、平成5年の大冷害。
米不足になったため日本中でタイ米を食べた年です。
その年の青森県の水稲作況指数は28。とんでもない数字でした。
また衝撃的だったのは昭和55年、56年と2年連続発生した大冷害。
青森県の作況指数は47、65。農業高校に勤めたばかりのうえ、
水稲担当だったので今も記憶に残っています。
当時、撮った写真には8月なのにセーターを着ている姿が写っています。
また農場の先生から周辺に落ちている縄があったら拾ってこいという
指示を受け、生徒と集めた覚えもあります。
理由は冷害を悲観して自ら命を立つ人を防ぐため。
実際、悲しいことに亡くなられた方もいらっしゃしました。
そんな年だったので当時は冷夏の仕組みや対策などを教えていました。
いくら農業が近代化されたとはいえ平成でも起こる大冷害。
忘れた頃にやってくるかもしれません。


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