花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

忘れてた宿題

2020年03月30日 | 研究
学校再開となっている地域が増えていますが
残念ながらお隣の八戸市ではコロナの保菌者が増えており
名久井農業高校は依然、休校状態が続いています。
生徒がいないと学校は何もできないところ。
そこで古い資料を廃棄しながら整理していると、面白いものが出て来ました。
それがこのオンオフタイマー。しかし一般のものとは、ちょっと違う機能があります。
それはオンオフを行う基準が設定された時間ではなく気温。
設定した一定の気温になるとオンオフを繰り返すのです。
つまりオンオフセンサーといったほうが良いかもしれません。
パッと思いつくのが金魚を飼育するときのサーモスタット付きのヒーター。
設定気温より下がるとヒーターのスイッチがオンになるものです。
ところがこのセンターは、「逆サーモ」と呼ばれるタイプ。
設定気温を上回るとスイッチが入って、下回るとオフになるひねくれ者です。
一般には気温が高くなって観賞魚の水温が上昇したときに
水槽に取り付けたファンを回して冷やし、
設定温度まで冷えたときはオフにして冷やしすぎを防ぐのに用います。
実はこの逆サーモ、かつてのフローラの財産です。
環境システム科1回生であるフローラ7は、サンパチェンスを用いた水質浄化システム
「バイオエンジン」の技術開発に成功しました。2回生であるフローラ8は
サンパチェンスで室内のホルムアルデヒドを吸収する「バイオクリーナー」を開発。
どちらも高く評価されました。そこで3回生であるフローラ9は次なる目標として
サンパチェンスを使った「バイオクーラー」を開発しようとしていました。
この逆サーモはその実証試験のため用意されたもの。
しかし農クの大会に出場することになり急遽方向転換。
バイオエンジンの改良に取り組み、2つの微生物を導入したTYPE3を開発し、
その後、4回生のフローラ10が世界で活躍しました。
つまりこの装置はフローラ9のやり残しなのです。現在のハンターズは5回生。
来春解散のため、残っている宿題を片付けられるのは2020年だけ。
やることがたくさん出て来ました。みなさんは休校中の宿題をちゃんと終えましたか?
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フキの思い出

2020年03月30日 | 学校
新型コロナウイルスの影響でバタバタの卒業式、さらに入学試験と
落ち着かない毎日がもう1ケ月にもなろうとしています。
先日、温室の方に行ってみると足元に緑色のフキノトウの蕾が顔を出していました。
知らないうちに春が名農キャンパスに来ていました。
さてフキノトウはフキの蕾で、食べることもできますが苦いのが特徴。
したがって一般的にはもう少し待って出てくる葉の葉柄部分を食べます。
しかし独特の香りが強いうえ、シュウ酸が多いので生では食べません。
もっぱら水煮してアクをとってからということになります。
今から何年前でしょう、フローラのある男子メンバーが
一人で黙々とこのフキについて研究したことがあります。
目的は生食できるフキの栽培技術の開発。
遮光してシュウ酸の生成を抑制し、生でも食べられるようにしたいと取り組みました。
2年間取り組んだ結果、もみがらやオガクズで葉の付け根までしっかりと遮光すると
香りとアクが抑えられ、なんとウドのように生で食べられることを発見しました。
分析の結果、シュウ酸は生食するトマトよりも減っているのです。
彼はこれを「サラダフキ」と名付け、軽く水洗いしてドレッシングで食べさせてくれました。
すると今までにないシャキシャキした食感がみなさんが評価され、本人も大満足。
その勢いで植物学会で発表し、フキの遮光とシュウ酸の研究は入賞したはずです。
さらに京都大学で開催されたテクノ愛でもグランプリを受賞。
これには他のメンバーもびっくり。そして大喜びした記憶があります。
春が来てフキノトウを見ると、いつも思い出されます。


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