花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

世界にひとつだけの花

2020年03月24日 | 研究
10年以上も前の古い活動写真を紹介しています。
まだまだあるのですが、とりあえず今回で一旦終わろうと思います。
このきれいな花はバラです。
花弁はショッキングピンクとでもいえそうな鮮やかなピンク。
驚くことに花弁の裏は純白なのです。
この2色の組み合わせがなんともファッショナブル。
実はこのバラ、研究班の生徒たちで
いろいろな品種を交配して作り出したものです。
これは日本の品種と外国のバラを掛け合わせたもの。
ピンクの花弁は片親の特徴ですが、
白とピンクのバイカラーはどちらの親にもない形質。
古い先祖の形質が現れ、新しい花が生まれました。
バラの育種は楽しいもので、人工授粉すると秋には種子ができます。
それを播種するとなんと次の年の春には花を咲かせるので
すぐ結果がわかり、3年間しか在校しない高校生でもブリーダーができるのです。
世界で一つだけの花を咲かせる楽しみは想像以上に刺激的。
どなたでもできるので、ぜひ家の庭で楽しんではいかがでしょうか。
さてカクタスライトから始まった商品化をイメージした研究作品。
いかがだったでしょうか。これらの研究から生まれた作品は
「From Lab. 研究室からの贈り物」というシリーズで数年間に渡り、
前任校の生物工学研究室の生徒たちと開発したものです。
工業製品とは違い、生命を宿した作品は難しいのですが
どことなくあたたかく、いいものです。
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テーブルパンジー

2020年03月24日 | 研究
机上で可愛らしい花が咲いています。
これはみなさんご存知のパンジー(三色スミレ)。
パソコンの脇に飾ると癒し効果抜群です。
でもパンジーを栽培した経験のある人は
いかにこれがありえない風景であるか気がつくはずです。
ご存知のとおり、パンジーは代表的な花壇を飾る花。
つまり太陽光がたくさん必要なのです。
可愛いので鉢に入れて飾った人もいると思いますが
室内では光量が足りず、必ず花首が徒長してみっともない姿になります。
ところがこれはどうでしょう。徒長するどころか、茎も短くなっています。
これは植物ホルモン「ブラシノステロイド」の生成阻害剤を散布して
研究班の生徒たちが作ったもの。簡単にいうと光を感じやすくなり
室内で栽培しても徒長しないのです。
名前は「テーブルパンジー」。おしゃれな名前をつけました。
薬品を提供してくださったのは理化学研究所。
新しい農業利用を探って欲しいとのことからでした。
このテーブルパンジーの開発は理化学研究所でも喜んでいただき
なんと年に1度の理研の一般公開の際、研究ブースに展示してもらました。
この効果を利用すると、異常気象で日照不足になっても、
収量を高めようと密植栽培しても大丈夫なことになります。
フローラが開発に乗り出した初代バイオエンジンも
微生物ではなく、この薬剤で光合成能力を高めて浄化を促進していました。
残念ながら農薬登録されていないので、実用化は断念しましたが
いずれも女子高校生らしい草花研究でした。
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