花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

懐かしの研究

2020年03月20日 | 研究
前任校時代の古いHDDが出てきました。
開けてみると中から10年以上も前のプロジェクト活動の写真が出てきました。
とても懐かしいので、何回かに渡りご紹介します。
これはラバテラというアオイ科の草花。ハイビスカスに似た花が特徴です。
ここに色やフリンジという縁取りなどが違う6種類の花がありますが
これはなんとすべて同じ品種から咲いたものです。
なぜならこのラバテラ、種子にイオンビームを照射して
突然変異を強制的に起こしたものなのです。
当時、理化学研究所の協力で、さまざまな研究に取り組んでいましたが
この突然変異育種もそのひとつ。方法は意外と簡単。
理化学研究所が世界に誇る加速器で作ったイオンビームを
ラバテラの種子に光の速さの半分ほどの高速でぶつけ、二重螺旋を切断します。
もちろんこの過程はお願いするしかありません。
私たちは届いた種子から育てますが、この時点では変異はわかりません。
そこでこのラバテラを自家受粉させ採種します。
そしてその種子を蒔くとこのようにさまざまな形質が現れてきます。
変化は色はもちろん、草丈や開花時期まで広範囲に及びます。
当時、前任校の生物工学研究室で生徒たちと研究していましたが
予想外の変化が楽しく、みんな夢中になって観察していました。
遺伝子組み替え植物は許可なければ開発も栽培もできませんが
このイオンビームによる突然変異育種はこの規制に引っかかりません。
すぐ変異種が手に入るので育種スピードが短縮される利点があり
理研はもちろん、サントリーなどでいろいろな新品種を育成しています。
最先端の育種を体験した懐かしい思い出です。
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北国の春

2020年03月20日 | 環境システム科
白樺 青空 南風
こぶし咲くあの丘 北国の
ああ 北国の春

千昌夫さんのヒット曲「北国の春」の歌詞です。
これは先日、ハンターズの温室から撮影した風景。
暖かな南風は吹いていませんでしたが、歌詞のように
日に日に白樺と青空がきれいになって来ました。
ではこの歌詞、いつごろの様子を歌ったものでしょうか。
北国といっても広範囲なので、この南部町あたりで考えてみます。
ヒントは「こぶし」の花。
こぶしはモクレンに似た花を咲かせる高木。
モクレンはすべて上を向いて咲くのに対してこぶしはあちこち。
山に自生していますが、白い花なのでとても目立ちます。
さてこのこぶし、昔から「田打ち桜」と呼ばれています。
なぜなら、この花が咲く時期と田んぼの土を耕す作業である
田打ち(田起こし)が重なるから。
そこでこぶしの開花は田打ちの合図として利用されてきたのです。
地域によって当然開花時期は違いますが、この辺りでは4月下旬から5月上旬。
つまりあと1ケ月ぐらい先の季節を歌っているようです。
今日は3月20日、春分の日。
春彼岸、そして暦の上では春の真ん中にあたります。
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