花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ターニングポイント

2020年03月11日 | 研究
3.11の東日本大震災から9年が経ちました。
突然の天災はたくさんの方の生活を一変させてしまいました。
それは名久井農業高校の植物研究班である
チームフローラフォトニクスにとっても同じです。
フローラは2009年に5名の男子で草花班の1グループとして結成され、
白いリンゴなどユニークな栽培法や新商品開発に取り組んでいました。
ところが震災で発生した大津波に地元八戸市種差海岸の
サクラソウが飲み込まれたことを知った当時のメンバーは
すべての研究を休止して、サクラソウ救出に乗り出しました。
この写真は事前調査に出向いた3月下旬のもの。
このように壊れた建物が海岸沿いにたくさん見られ
言葉にならない衝撃を受けたものです。
フローラは、このサクラソウ救出活動をきっかけとして
環境保全研究が活動のメインとなっていきました。
震災から9年、所属は園芸科学科から環境システム科へ、
正式名称も草花班から環境班へ、ニックネームはフローラから
現在のハンターズへと発展していきましたが
そのターニングポイントは間違いなく東日本大震災。
3.11がやってくるたび、必死に立ち向かった当時のメンバーを思い出します。
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フローラが愛したタイトル

2020年03月11日 | 研究
2011年の東日本大震災をきっかけにサクラソウ救出に立ち上がったフローラ。
園芸科学科時代のフローラを知っている皆さんから見ると
サクラソウ研究はまさにフローラの代名詞でした。
それだけ女子高生が真剣に震災復興に立ち向かう姿は心を打つものでした。
ところが10年間活動したフローラが、サクラソウ研究に取り組んだのは実はわずか4年間だけ。
意外にも短いのです。2011年に県知事の命令を受けサクラソウの種子採取。
その夏には、全国のサクラソウ愛好家のアドバイスを受けに発芽に成功。
2012年の春にはなんと1輪の花が咲き、遺伝資源の確保に成功しました。
これは地元の特番はもちろん、NHKの国際ニュースでも取り上げられ
全国からたくさんの激励のお便りや支援物資をいただいたものです。
このように4年間の前半2年は救出が目的でした。
確かユニフォームにも大きなレスキューという文字がありました。
そしてサクラソウが自然の力で蘇ってきた2013年から2014年までの
後半2年間の活動は、環境保全の提案。
調べれば調べるほど種差海岸のサクラソウの未来が危ういことに気がついたフローラは
その対策案を提案し、保全生態学の専門家のアドバイスを受けながら実際に試みています。
もちろんこれらの活動成果は、農業クラブのプロジェクト発表会でも披露していますが
発表したのは活動をすべて終えた2014年。活動の真っ最中は手が回らなかったのです。
満を持しての発表は、まさに活動の集大成。自生地を将来に残すための提案を披露し
潔くフローラはサクラソウ保全活動から身を引きました。
「花物語」。これはフローラの研究発表題ですが
面白いことに、いろいろな発表でこのタイトルを何度も使っています。
震災から立ち直っていくサクラソウや
絶滅危惧種になった原因を探るストーリーを表したものですが
サクラソウによって変わっていくメンバーやフローラそのものの物語でもあるからです。
今日は9年目の3.11です。
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