花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

産学連携

2020年03月14日 | 環境システム科
大型水耕温室の中で別の植物を発見しました。
芽の出ている様子から、らっきょうやアサツキかなと思いましたが、
もしかしたら行者ニンニクかもしれません。それには理由があります。
この温室は生徒によるオリジナルの研究もありますが
環境システム科が県の民間企業と連携した栽培研究も行われているところ。
確か栽培候補のひとつに行者ニンニクがあげられていたからです。
もしかしたら栽培実験がもう始まっているのかもしれません。
行者ニンニクはニンニクと同じネギの仲間。
その名の通り、ニンニクの香りがする山菜で
修行僧が食べたのではないかとの理由で
この名がついたそうですが、諸説あります。
成長が遅いことから高値で取引されているといいます。
しかし近年、収入になるとして山から根こそぎ持ち去る人が増え
天然物は減少しているといいます。
そんなわけで水耕栽培の候補にあがっていたのです。
幸い行者ニンニクは湿地に自生する植物。
意外と水耕栽培に向いているのかもしれません。
この温室には民間企業と連携した研究をしているためセンサーなど
見たことのない装置がついています。
またタブレットで栽培管理できるスマート農業も体験できるそうです。
残念ながら意外とこの存在はみなさんに知られていません。
もっともっと地域にPRしてもらいたいものです。
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狂った果実!!

2020年03月14日 | 環境システム科
こちらにもイチゴの水耕栽培装置があります。
よく見ると、可愛らしい赤い実をつけ始めています。
この水耕栽培装置はパイプを切断して、環境システム科が自作したもの。
工業も学ぶ彼らにとって、モノづくりは決して高いハードルではありません。
自分たちで鉄パイプを切って、照明をさらに増やす
簡単な装置を製作した先輩もいるぐらい。
明らかに従来の生産系の学科にはない力が育っています。
話は変わりますが、イチゴの旬はいつでしょう。
旬というのは、その作物が一番多く生産される時期をいいます。
現在、青森県でも日本でも生産が多いのは、クリスマスの12月とちょうど今頃。
スーパーマーケットに行くと、確かにイチゴが並び始めました。
そのため青森県が子供達に出している農業資料を見れば、今が旬となっています。
ところが年配の方は、これが本当の旬じゃないことを知っているはずです。
イチゴをプランターなどで屋外で栽培したら、一般的に収穫は初夏。
これがイチゴの植物としての特性であり、本来の旬です。
ところが農業がビジネスになっていくと、
マーケットに出回っていない時期に出すと高値になることがわかってきます。
すると皆さん、ビニールハウスや温室に1ケ月約50万円もの燃料費をかけて
冬や春に出荷するようになり、気がつくと今が旬になってしまったのです。
「旬のものを食べると体に良い」と昔からいわれてきましたが、
これは十分に太陽を浴びて出てきた野菜の栄養価が高いから。
残念ながら季節を無視して栽培したものは、栄養価が劣ることがわかっています。
石油資源の乏しい日本。温暖化も考えると本来の旬に戻すことも必要かもしれません。
そして農業の技術革新によってなくなった野菜の旬を
正しく子供達に教えることも大切ではないでしょうか。
そのためにもぜひ家庭で野菜作り体験をさせてほしいものです。
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