花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

スイカの空中栽培

2020年03月23日 | 研究
これは研究とは違い、ビジネスアイデアです。
大きなアーチにぶら下がって実っている果実。なんとこれはスイカです。
ラグビーボール大の中玉品種で、ここには黄色と
見慣れた緑と黒のシマシマの2種類が見えます。
よくバラでアーチを作りますが、これはそのスイカ版。
中を人が歩け、これは上を見上げて撮影した写真です。
さて冒頭に書いたように、これはビジネスアイデア。
皆さんはスイカ狩りをしたことがありますか。
イチゴならよくありますが、なかなかスイカは見かけません。
このような栽培法なら子供たちも楽しんで収穫体験できます。
また空中にぶら下がっているので、まんべんに光が当たり着色も良くなります。
さらに販売方法がユニーク。確かスイカ1個のベース価格が500円で
糖度1度についてさらに10円いただく方法でした。
つまり糖度が14度だったら500円プラス140円で640円。
甘さがポイントのスイカなので、これなら消費者も納得というわけです。
でもスイカを切って糖度を調べてはせっかくの商品が台無しです。
そこで考えたのが非破壊糖度計。
赤外線を照射するだけで切らずに果実の糖度を測定する機器です。
このアイデアを考えた生徒たちは実際に栽培しては、
非破壊糖度計で測定しながら試験販売を行い、新聞にも掲載されました。
みなさん自由に甘いものを探すことができるので、宝探しのようと大人気でした。
高校生のユニークなアイデアには驚きます。
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俺ら東京さ行ぐだ

2020年03月23日 | 研究
これもユニークなスイカ栽培の研究。
彼らが栽培準備しているのは、なんと学校の屋上です。
危険という理由から屋上に上がったことのない人も多いと思いますが
屋上には、こんなにもだだっ広い未利用空間があります。
ここでスイカ栽培する理由があります。
方法はプランター栽培ですが、下はコンクリートのため除草はいりません。
また大切な水は自動潅水装置を使うので手間がかかりません。
コンセントのある畑など滅多にありませんが、
ビルの上なら屋外用のコンセントがちゃんと準備されています。
さらに気温差。下がコンクリートなので畑に比べて
日中は気温が上がり、夜は下がります。
この日較差がスイカを甘くしていきます。
さらに害虫がいないこと。ここは3階の屋上のため高く、風も強いため
食害を起こすチョウやガは飛んでこれません。
実はいいとこだらけなのです。問題は収穫。
スイカは重量野菜といって重いため運ぶのが大変。
収穫したスイカを下まで運ぶのはエレベーターがないととても無理です。
しかしこの問題もアイデアでクリアしました。
観光スイカ園にしてお客様に収穫してもらうのです。
お客様は体験を楽しみ、さらに自分のスイカをせっせと持ち帰ってくれます。
それもお金を払ってです。逆転のアイデアで実用化の可能性を示ました。
ところが大きな課題も発見しました。それが鳥害。
美味しいスイカをカラスがつつくのです。
しかしネットで覆うことでこの問題もクリアできるはず。
青森県のスーパースターである吉幾三さんに「俺ら東京さ行ぐだ」という
歌がありますが、まさに東京など都会はビルだらけ。
見方を変えると畑だらけ。15年ほど前の取り組みで
当時は屋上菜園はまだ少なく、ぜひやってみたい実用的な提案でした。
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