「自分の尻は自分で拭け」という言葉がある。後始末は自分でしろ、といった感じの意味だ。小学生のとき、先生が発したこの言葉に反論したクラスメイトがいた。曰く、「尻を拭くというのは自分についた汚れをきれいにする行為である。だから、後始末の範囲は自分に跳ね返ってきたものに限られる。この意味で自分は後始末を果たしている。」 これを聞いて私はなるほどと思った。先生も特に再反論しなかった。当然詭弁なのだが、足した用をすべて処理しろとは求められていないところ、できる範囲でやれという優しさが込められている言葉なのかもしれないと感じた。もっとも、現実にはこれで済むことはほとんどない。