あるところに一匹のキツネがいました。ある晴れた日、キツネは木にたわわに実ったブドウを見つけました。キツネはブドウを食べようと必死に跳んで掴もうとしましたが、ブドウは高いところにあり届くことはありませんでした。キツネは疲れて木の下でぐったりしてしまいました。「どうせあのブドウはすっぱくて美味しくないだろう」とつぶやきました。
キツネは辺りを見回して、すっぱい理由を見つけ出しました。「木の日当たりがよくないと甘いブドウはできない。見てみろ隣の大きい木を。この木の陰にあるから甘くならない。」「土に十分な栄養がないと甘いブドウはできない。見てみろこの干からびた土を。これではすっぱいブドウしかできない。」
するとそこへ一羽の小鳥が飛んできました。小鳥は木にとまり、ブドウを美味しそうについばみ始めました。キツネはその光景を見て、小鳥に話しかけました。「そのブドウはすっぱいだろう。」そして、先ほど見出したブドウがすっぱい理由をトウトウと語りました。
小鳥はついばみながらキツネの話をきいていましたが、一息ついたところで答えました。「確かにこれはすっぱいよ。すっぱい理由もそれ自体はありうるかもしれないね。でも、そもそもこれはブドウじゃなくてグレープフルーツだよ。すっぱいのは当たり前だよ。」
キツネはキツネにつままれたような表情をしました。「これがブドウじゃないって?そんなはずはない!」必死に食い下がりますが、小鳥は意見を変えません。「いや、誰が見てもグレープフルーツだと思うんだけどなあ。」キツネはついに怒りが頂点に達し、小鳥を非難し始めました。「お前みたいなちっこい奴に何がわかるってんだ。文字を読む頭もない馬鹿じゃないか。」
小鳥はやれやれといった表情で言い返しました。「確かにわたしはあなたより小さいし文字もたいしてわかりませんよ。でも飛び回って色んな物をこの目で見て色んな動物と実際に話してきました。あなたがこれをブドウだと思ったのは、文字で読んだ特徴をあてはめたからで、本物をちゃんと見たことがなかったからでしょう。どちらが馬鹿だというのでしょう。」
キツネは言い返せなくなり「うるさい!」と言い捨てて森の奥に引っ込もうとしましたが、小鳥はキツネを引き止めました。「森の奥で一人ちぢこまっていても何も始まりませんよ。今からでも色々なところを見て回りませんか。私はこれから南の島まで飛んでいくつもりです。海岸のところまでご一緒にどうですか。」
キツネはしばらくの間ブツブツ不平を言っていましたが、小鳥が何度も誘うので、しぶしぶ小鳥の言葉に従うことにしました。「くそ、隙を見てお前を取って食ってやる。」「それはこわいですね。」こうしてキツネと小鳥の旅が始まりました。

にほんブログ村
キツネは辺りを見回して、すっぱい理由を見つけ出しました。「木の日当たりがよくないと甘いブドウはできない。見てみろ隣の大きい木を。この木の陰にあるから甘くならない。」「土に十分な栄養がないと甘いブドウはできない。見てみろこの干からびた土を。これではすっぱいブドウしかできない。」
するとそこへ一羽の小鳥が飛んできました。小鳥は木にとまり、ブドウを美味しそうについばみ始めました。キツネはその光景を見て、小鳥に話しかけました。「そのブドウはすっぱいだろう。」そして、先ほど見出したブドウがすっぱい理由をトウトウと語りました。
小鳥はついばみながらキツネの話をきいていましたが、一息ついたところで答えました。「確かにこれはすっぱいよ。すっぱい理由もそれ自体はありうるかもしれないね。でも、そもそもこれはブドウじゃなくてグレープフルーツだよ。すっぱいのは当たり前だよ。」
キツネはキツネにつままれたような表情をしました。「これがブドウじゃないって?そんなはずはない!」必死に食い下がりますが、小鳥は意見を変えません。「いや、誰が見てもグレープフルーツだと思うんだけどなあ。」キツネはついに怒りが頂点に達し、小鳥を非難し始めました。「お前みたいなちっこい奴に何がわかるってんだ。文字を読む頭もない馬鹿じゃないか。」
小鳥はやれやれといった表情で言い返しました。「確かにわたしはあなたより小さいし文字もたいしてわかりませんよ。でも飛び回って色んな物をこの目で見て色んな動物と実際に話してきました。あなたがこれをブドウだと思ったのは、文字で読んだ特徴をあてはめたからで、本物をちゃんと見たことがなかったからでしょう。どちらが馬鹿だというのでしょう。」
キツネは言い返せなくなり「うるさい!」と言い捨てて森の奥に引っ込もうとしましたが、小鳥はキツネを引き止めました。「森の奥で一人ちぢこまっていても何も始まりませんよ。今からでも色々なところを見て回りませんか。私はこれから南の島まで飛んでいくつもりです。海岸のところまでご一緒にどうですか。」
キツネはしばらくの間ブツブツ不平を言っていましたが、小鳥が何度も誘うので、しぶしぶ小鳥の言葉に従うことにしました。「くそ、隙を見てお前を取って食ってやる。」「それはこわいですね。」こうしてキツネと小鳥の旅が始まりました。

にほんブログ村