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順風ESSAYS

日々の生活で感じたことを綴っていきます

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跡を濁さず

2010年03月14日 | essay
写真でみる在日コリアンの100年 -Chikirinの日記で、韓国ドラマに熱狂する日本の女性を冷笑する詩が取り上げられている。私も大学2年くらいに観にいった別の写真展で、韓国の苦難を追ってきた写真で「今の人たちが苦難を忘れて韓国ドラマのような恋愛などにうつつを抜かす様子を見るとやるせない」みたいなコメントが付いているものを見たことがある。これは韓国ドラマを作ってる側への冷笑である。このとき私が思ったのは、苦難と無縁に楽しさを追求できるようになることこそ当時の人が次世代の人に望んだものじゃなかったのか、ということだ。

仮に自分の子どもや孫がいるとして、自分が経験した諸々の困難とは無縁に楽しく過ごしていたら、きっと傍らで見守りながら目を細めていることだろう。しかし一方で、全くの他人が同じように過ごしていたら、甘えやがって、みたいなちょっと複雑な気持ちが生まれるかもしれない。この違いは、子どもに対しては自分の分身のような位置づけで視線を送ることから出てくると思われる。よく「他人の立場に自分が立ってみて行動しなさい」と言われることがあるが、下の世代の人であると自分に置き換える想像力が及ばなくなる。このとき、自分の子どもや孫にはどうしてほしいか、という視点で考えてみると上手くいくだろう。

こうして自分の子どもや孫にはどうしてほしいかを考えて行動すると、現実にも子どもや孫に恩恵を与えることができる。下の世代を他人のように扱い不幸の種を撒いてばかりいると、必然的に不幸の芽が自分の子どもに当たる可能性は高くなる。自分の子どもにはまさか当たらないだろうというのは、心理学で言う「コントロール幻想」で、その名の通り幻想に過ぎない。逆に幸福の種を撒けば、その芽が自分の子どもにもそれを取り巻く環境にも生えて、幸せに暮らせる可能性が高くなる。情けは人のためならず、である。

ということで、少なくとも、自分が今いる場所(職業、家庭、社会、国など)を子どもにも来て欲しいと思えるように綺麗にしておくべきである。とりあえずの保身で無闇に荒んだ場所にしていないだろうか。


【補足】ところで、教育上は過去の苦難を知らなければならないとされている。これはひとつに、他人として視線を向けられるとき、過去の苦難を知った上で相手を尊重することが必要だからであるように思う。


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俺、上京して中央線沿線で一人暮らし始めたんだ

2010年03月07日 | 創作
※怪談が苦手な方は少し気分が悪くなるかもしれないのでご注意ください。

12 名前:ネット掲示板のだれか 投稿日:2010/02/29(月) 13:15:28
俺、上京して中央線沿線で一人暮らし始めたんだ。
中央線で大学通うんだけど、いつも先頭車両の一番前に乗った。
別に出口に近いからとかじゃなくて、中央線名物「人身事故」を間近で見てみたいと思ってたのよ。
不謹慎というか、若気の至りというか、思慮の浅いことで、今は本当に反省してる。

で、1ヶ月くらい経ったとき本当に遭遇した。人身事故。中年のおっさんだった。
詳しく書くと気分悪くなるから省略するけど、想像してたよりひどかった。
隣で立ってた女子高生とかしゃがんで泣き出してた。
俺も最初うわって思ってたんだけど、電車が動き出すまで待ってる間に冷静になってきた。
そんで好奇心も出てきて携帯のカメラで外を撮ってしまった。
ちょっと遠目で確認しづらかったんだけど、頭っぽいのが写ってた。
輪にかけて不謹慎だよね。何度も言うけど本当に反省してる。

20 名前:ネット掲示板のだれか 投稿日:2010/02/29(月) 13:26:36
別にその日は何事もなく、大学で友人に事故見たすげーみたいな話をして、帰って寝た。
その後1週間くらい普通の生活してたんだけど、ある朝携帯開いて変なことに気がついた。
あのとき撮った写真が待受になってんの。自分で設定した憶えないのに。
なんか気味が悪くなって、画面設定しなおして写真のデータも消した。

でもその翌日携帯開いたら、また待受があの写真になってんの。
その日最初に携帯開いたのが電車の中で、思わずうわって声出しちまった。
ちゃんとデータ消えてなかったのかなとか思って、待受元に戻してデータも消した。
けれどまた翌朝になったら待受があの写真に戻ってんの。1週間くらい続いた。
データ消えてるはずなのに、おかしいおかしい。
気味が悪くてもう冗談で友人に喋る気にもならなかった。

28 名前:ネット掲示板のだれか 投稿日:2010/02/29(月) 13:35:12
で、ある日の夜、寝苦しくてなかなか眠れなかったんだ。
ウンウン言ってたら、来た。金縛り。金縛りになるのは過去数回ある。
やべー体動かねー、とか思ってたら、玄関のほうで音がした。
そんで人影も見えた。ゆっくり歩いて迫ってくる。
泥棒?こんな時に運悪い、どうしようとか思ってたんだけど、
近づいてきたそいつ、頭がない。胴体とか手足はちゃんとついてる。
でも着てるものはボロボロで、足取りもおぼつかない。

で、ゆっくり俺の枕元まで来て止まった。
やべーよやべーよと必死に思ってたら、奴は枕元の携帯を取った。
奴は震える手で開いて、何やら体の奥からうめいてる感じだった。
よく聞いたら「俺の顔ー、俺の顔ー。」と言ってた。
そこで記憶が途切れた。目が覚めたら朝になってた。

そんですぐ携帯開いて確認したら、やっぱり待受があの写真。
もう本当に怖くなって、その日に即効で中古屋に携帯売った。
なんか撮影したことで霊の頭が吸い込まれちゃって、探しに来たとかいう感じなのか。
でも取り戻す方法がなくて毎日やってきては帰っていたのかもしれない。
売ってからは新しい携帯に変なことが起こったり金縛りに遭ったりとかはない。
興味本位で事故現場を撮影とか絶対やめた方がいい。

30 名前:ネット掲示板のだれか 投稿日:2010/02/29(月) 13:37:39
>>28
ちょ、売るなよ
怖くて中古で買えなくなるじゃねーか

40 名前:ネット掲示板のだれか 投稿日:2010/02/29(月) 13:40:56
>>30
金に余裕がなかったもんで捨てるのは勿体なかった。
新機種を大学入学時に買って間もなくだったから結構高く売れた。
そう、こんな話みんな信じられないかもしれないけど、ぜんぶ本当に作り話だから。


【説明】「携帯電話」をテーマに怖い話を作ってみようかという話になって、試しにやってみました。奇妙な事象でも「理由がある」とあまり怖くならないような。あんまり不条理な話は好きではないのです。待受が変わるだけではなく電話もかかってくるようにしたら、少しは効果的になったかもしれません。なお、掲示板への投稿という形式で書いたもので、現実に投稿されているわけではありません。

【追記】この記事を題材に歌詞を作ってみました。ここをご参照ください。


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