※注
今回、いつもと趣向を変えております。
皆様への理解は求めておりませんので何卒ご了承くださいませ。
意味がわからない方へのご説明、ならびに質問等への回答は致しかねますので、
恐れ入りますがブラウザバックを推奨致します。※
この物語は、ラスボスである魔王様とうっかり遭遇してしまった雑魚キャラの、泳げもしないくせに溺れる寸前でもがくような、妄想ファンタジー的なアレである…
今ではない刻、此処ではない場所。
正確な日にちは覚えていないが、こんな季節のことだった。
休日にしては珍しく朝8時くらいに起きて、いつものように千里眼的なモノを開くと、いつものようにビーオーエスエスが「今から水の四天王の住処に向かいます!」と言っていた。
実はこの日、俺は事前に出掛けるつもりをしていたのだが、日にちを勘違いしており、予定があるつもりがないという事態に、まあ自分のせいなんだけれども、出掛けたいという気持ちを持て余していた。
そこで俺は思い出した。以前、ビーオーエスエスが巨人の棲む山に登っていたのを物陰から見ていたことを白状すると「じゃあ水の四天王の住処で一緒に魔法唱えましょう!」と言われていたのを。
しかしだ。
俺はそもそもレベル3とか4とかの超雑魚キャラである。すぐツノが折れる(むしろ砕けるレベル)。しかもビーオーエスエスとパーティを組む資格なんてない。そんな自分が行っていいんだろうか?
と葛藤していたのだが、前述の通り出掛けたいという気持ちを持て余していたので、行きたいという気持ちが先行してしまった。
よし、行こう!
ところでこの画像ちゃんと見てなかったな(よく見るボタンをポチッと)
…そこにはどこかで見たことのある顔が。
ま、魔王様…???なんで?
いやあのえっと、きっと遠目で見てるだけだよな!!!←
いいやいいや、気にせず行こう!←
しかし支度がのんびりしすぎて乗り継ぎがうまくいかない凡ミス。途中の魔境では乗りたかった馬車が運休しているなどの事案発生。気を取り直してタツカワレールに乗って出発。
途中、ポンコツランドの前を通って、沿線もなんだか心惹かれるものがあって、途中で降りたら降りたでまた違った面白いものに出会えるのかもしれないな、などと思いつつ、水の四天王の住処に到着。
とりあえずビーオーエスエスがいるはずの魔王城がどこだかよくわからないので、その付近だと思われる西の魔女が作ったダンジョンに向かう。
広間はあるが、ほとんど誰もいないし、ここではなさそうだ…
というわけで西の魔女ダンジョンをやり過ごし、てくてく歩いて付近を探索する。
…ってこの歩くのが大変でもうね、砂利道だらけでもう!この辺どうするか方針決めるのに時間かかったんだかなんだかわかんないけど、今でもこんなんなのか!一年後には変わってるのかも知れないけどさ!
とりあえずどうにか近くのハローワの神殿へ。とりあえず中でいろいろ見繕って、若干荷物増えすぎた感もありつつ。
時間が迫ってきたので再び西の魔女ダンジョンに戻る。中の道具屋さんでちょこちょこ買いつつ魔王城の場所を訊くと「この近くにセーブポイントがあってねー…見える所まで一緒に行ってあげる!」と案内していただいた。道具屋さんには本当に感謝。
ってそういえば魔法を唱えるにはオナモミが必需品なのに持ってないぞ!と思い立ち、今度は武器屋に向かう…途中、大きな馬車とすれ違った。もしかして…
とりあえずオナモミを入手、さあ行くぞ魔王城!!!
…に行くのに、ダメージ床を歩くという…さっきの砂利道を歩いた者としては結構しんどい…。
一歩踏み出す毎にすり減って行く俺の体力と勇気。←バカ
到着前にもうゼーゼーだし緊張して仕方ないのである。
で、入口にこれから入っていくらしきモンスター達を見かけたので、慌てて追いかけ、一緒に入れてくれー!!!とばかりに「あの…魔王城ってここでいいんですか?」みたいなこと言ったらすぐ四天王っぽい子が出てきてくれて中に入れてくれたのだが、それとほぼ同時くらいに 魔 王 様 も 発 見 。
ってか、第二形態!?寒くないのか?
と思いつつ緊張しているのであまり魔王様を見ることが出来ず…。
とりあえず、魔王様はいないと自分に暗示をかけてやらないとできないなこりゃ((((;゚Д゚)))))))
「俺は!ただ!魔法を!唱えに!来たんだ!」
という強い暗示をかけ、中に入る。ビーオーエスエスの皆さんウエルカムな感じで。そりゃそうか…
って、魔王様から「コミーチャンネルを解放するがこの中に脳内アクセスされたくない者はいるか」と言うので………手を挙げた。ミツイとかイマヅカみたいな奴等が気付かないとも限らない。おかげで魔王様から話しかけられる事になったが、それについて意識してしまうと失神しそうなので詳しい言及を避けておく。
さて、今日やるラリーホーリーラっていう魔法の魔導書のレプリカが渡されて…実はこの魔法知らなかった…ともかく有志でお手本を見せてもらうことに。
………………てきめん!!!めっちゃ効く!!!
これから自分がやるんだと思って魔道書を追いながらだったから自分にはギリギリで効かなかったが、そういう意識抜きで掛けられていたらたぶん効きまくって爆睡だっただろう。
ただでさえ緊張しすぎて手が震え、魔道書のページをろくに捲れなかったのだから…
早速、立ち位置ごとに分かれて20分ほどレクチャー。
しんがりはここー、とか、センターはこっちー、とか…もう自分以外のモンスターはあらかたポジションが決まっているようだ。それもそのはず、前半と後半に分かれていて、前回のうちに前半のレクチャーを終えてしまったらしい。
俺はどうすりゃいいの!?って事で、通りかかった上級モンスターであるCさんとEさんに聞いたら先頭か二列目のどっちかがいいだろうと言われ…じゃあ先頭で!二列目は難しそうだから、という消極的な理由である。
というわけでCさん・Eさんと軽く自己紹介しつつ、練習開始。
練習というか、二人が唱えているのを真似して一緒に唱えるだけであるが…二人とも褒め上手だから本当に唱えられるような気になってきてしまう…
だけど思っていた以上にペースが早い!もう魔王城近くのモンスターはこんなハイペースで練習できるのか!恐ろしくてペースを緩めてもらってしまった。
ちなみに魔王様はその間、各ポジションを見て回っていたようだが、正直魔王様が今何をしているのかなんていうことを気にしている余裕すらなかった…逆にチラチラ姿が見えるのが恐ろしかった…もう「貴様は低レベルモンスター、パーティを組む資格などないではないか!早々に立ち去れ!」なんて言われやしないかともうビクビクで。
後で知った事だが、ビーオーエスエスの皆さんはここに来るまでの道中で暗記までしてくるからレベルの違いをまざまざと感じる、それもこのラリーホーリーラだけではなく、他に7つも。人によって唱えるやつと唱えないやつとあるようだが、全てそらで唱えられるまでに仕上げてくるという…前にもやっているのかも知れないが、それでも立ち位置が変わるなんてこともやっているので驚愕というほかない。まあ、そもそもの種族が違うのであろうし、ちゃんと指導してくれるモンスターがいるということなのであろう。
その指導の甲斐もあって、俺でもどうにか後半できた。あとは魔道書がシンプルなのに非常に効果てきめんになるように作られている。シンプルな海鮮出汁の効いたスープといった感じ。最高である。CさんとEさんには告げたが、実は魔法を唱えた事がないと言ったら嘘になるのである。自分でもやってみたが、ビーオーエスエスの皆さんみたいに上手くはいかず。先々月にやったやつなんて無駄に長いし前半と後半で全然違うし、終わりかけに難しい発音のものが入ってくるしで、例えるなら食材が無駄に多くて味にまとまりもなく雑味の多いラーメン。精神がゴリゴリと削られた苦い記憶が蘇ってくる…。あまりに黒歴史なのでお二人にすら言わなかったが、魔王様が使うサタンメテオライトも興味本位で唱えてみたことが…しかし大失敗して自爆したのは言うまでもない。
なお、二人からわからない所があったら訊いて、と言われたが、何がわからないのか自分でもよくわかっていないこの残念っぷり。レベル3とか4とかで雑魚キャラと呼ばれる所以である。一応何か書けるようにメモ帳も持ってきたのだが、ほぼ使わず…無能である…。魔道書に書いてもよかったのだが、書くならフリクションペン持ってくるんだったと後悔した。書き間違えても消せるから。仕方なく直接書いたら、緊張しすぎてめちゃくちゃ汚い字になってしまって羞恥の極みであった。
そうこうしているうちにそれぞれ仕上がってきたらしく、陣形を組んで少しずつそれぞれの呪文を混ぜていくことに。
アレ?ここで戦闘中によくある閃き発動。55行目から60行目のところ、こう、ぐわっとでっかい声出すとなんか効きそうじゃん?ということでそんな感じで唱えてみる。周りもなんかそんな感じの方向に流れていっている気がする。
何度か試してみたが、Eさんがこうしようと全体に言うんだけれどもあまり聞いてくれてなかったり伝わってなかったりと、ちょっとコミュニケーションが取れていないような部分も垣間見えた。こんな事もあるのか。
すると業を煮やした魔王様が
「貴様らはわかっていない…
ラリーホーリーラは掛ける相手に心地良く寝て欲しいと思って唱えるのだ!
何を良い気になってセンターを差し置いて大声で叫んでいるのだ!ただ大声を出しただけでは寝たくても寝られぬではないか!
自分が寝る時のことを思い浮かべてよく考えて唱えるのだ!」
と、タライボタンをポチッとして、俺の頭にガーンと落ちてくるタライ。
俺かー!!俺のせいかー!!!そうかもー!!!←
ううう…ツノが折れた…ボキッと折れた…二本中二本とも折れた…
そうか、俺の閃きは誤りだったのか…魔王様に認めてもらって、あわよくばボーナスとか昇給とか奮発してくれないかなぁなんて欲が心の奥底にあったんだな…そしてそれを見透かしたかのような魔王様の激昂…恐るべし魔王様…まあだから魔王様なんだろうけど。
と、ツノもそうだが心もボキッと真っ二つに折れてしまった俺。もう_| ̄|○←リアルにこんな。
しかし落ち込んでいる暇はない。
他のモンスターは「は〜なるほど〜」という空気になり、「魔王様は神!」みたいなことを言い出すモンスターも。しかし流石に魔王様だから神と呼んで欲しくはないようだ。
Cさん「でもほんと言うなれば神ですよー、
あっ魔王様のことは知ってますよね?」
ハイモウシッテルモナニモ(以下自粛)
で、本当に時間がないため、試しに一度ちゃんと魔法掛けるぞ!ということに。
魔王様「通しでよかろう」
…って魔王様?俺、初めてここに来て、前半部分はやってないんですけど?
CさんとEさんは「後半と同じ感じなんで大丈夫ですよ〜」みたいなこと言うし。
まあ、両脇に付いていてくれるから心強いが、不安には変わりなく、直前にEさんが魔王様(何故か俺の斜め後ろにいる)と何かを喋って笑っていたのだが、テンパりすぎて話に聞き耳を立てる余裕すらない。
ついに魔法陣を組み、センターの先導で…
“ラリーホーリーラ!!!”
…う、うん…な、なんとか、最後までいけた…かな…
実は最後の方でとんでもない間違いを犯しており、進行に支障が出たっちゃ出たけれども…
すると魔王様が
「貴様にも少しアクセスしてしまったようだ」
マジかー!!?
なんかそういえば途中、やっちまったなっていう瞬間が他にもあって……ああ思い出すのも憚られる…しかし、大丈夫と言うほかなかろう…とりあえず魔王様が怖すぎて何故かひたすら謝りたおす俺。
ここでお疲れって事で、上級モンスターの有志(HFASDさんもいる)でもう一つ魔法を掛けてもらうことに。
の前に、魔王様から低評価ボタンドォォォン押された音がしてびびる俺。うっ、俺になのか…!?って俺以外やらかした奴いないもんなこれ…
とりあえず陣形を組み
“ヒョード!!!”
うおわーめっちゃてきめん!!!
ちょっと当たって部分的に凍ってしまったほど。
HFASDさんの尻尾の先からしてすっげえかっこいい!!!
これぞチームワーク!これぞ魔法!!これぞ上級モンスター!!!巻き起こる拍手と感嘆の声。
全てが終わり、談笑などしながらビーオーエスエスさん達に囲まれる魔王様。
そんな魔王様達の隙を見て魔王城を脱出、そのままタツカワレール乗り場までダッシュ。
そして無事にタツカワレールに乗り、水の四天王の住処を後にしたのだった…。
というのが、今から確か7万年前の出来事である。
俺がその後どれくらいのレベルになったか?
それは訊かないでくれ。
その後のことは、話したくない。
俺があの場にいたということは、もう誰の記憶にもあるまい…
※なにかがフィクションです。
重ねて申し上げますが、質問等には一切お答え致しかねます。
各方面にごめんなさい、もとい、誠に申し訳ございませんでした。※
♪なにかの音楽
今回、いつもと趣向を変えております。
皆様への理解は求めておりませんので何卒ご了承くださいませ。
意味がわからない方へのご説明、ならびに質問等への回答は致しかねますので、
恐れ入りますがブラウザバックを推奨致します。※
この物語は、ラスボスである魔王様とうっかり遭遇してしまった雑魚キャラの、泳げもしないくせに溺れる寸前でもがくような、妄想ファンタジー的なアレである…
今ではない刻、此処ではない場所。
正確な日にちは覚えていないが、こんな季節のことだった。
休日にしては珍しく朝8時くらいに起きて、いつものように千里眼的なモノを開くと、いつものようにビーオーエスエスが「今から水の四天王の住処に向かいます!」と言っていた。
実はこの日、俺は事前に出掛けるつもりをしていたのだが、日にちを勘違いしており、予定があるつもりがないという事態に、まあ自分のせいなんだけれども、出掛けたいという気持ちを持て余していた。
そこで俺は思い出した。以前、ビーオーエスエスが巨人の棲む山に登っていたのを物陰から見ていたことを白状すると「じゃあ水の四天王の住処で一緒に魔法唱えましょう!」と言われていたのを。
しかしだ。
俺はそもそもレベル3とか4とかの超雑魚キャラである。すぐツノが折れる(むしろ砕けるレベル)。しかもビーオーエスエスとパーティを組む資格なんてない。そんな自分が行っていいんだろうか?
と葛藤していたのだが、前述の通り出掛けたいという気持ちを持て余していたので、行きたいという気持ちが先行してしまった。
よし、行こう!
ところでこの画像ちゃんと見てなかったな(よく見るボタンをポチッと)
…そこにはどこかで見たことのある顔が。
ま、魔王様…???なんで?
いやあのえっと、きっと遠目で見てるだけだよな!!!←
いいやいいや、気にせず行こう!←
しかし支度がのんびりしすぎて乗り継ぎがうまくいかない凡ミス。途中の魔境では乗りたかった馬車が運休しているなどの事案発生。気を取り直してタツカワレールに乗って出発。
途中、ポンコツランドの前を通って、沿線もなんだか心惹かれるものがあって、途中で降りたら降りたでまた違った面白いものに出会えるのかもしれないな、などと思いつつ、水の四天王の住処に到着。
とりあえずビーオーエスエスがいるはずの魔王城がどこだかよくわからないので、その付近だと思われる西の魔女が作ったダンジョンに向かう。
広間はあるが、ほとんど誰もいないし、ここではなさそうだ…
というわけで西の魔女ダンジョンをやり過ごし、てくてく歩いて付近を探索する。
…ってこの歩くのが大変でもうね、砂利道だらけでもう!この辺どうするか方針決めるのに時間かかったんだかなんだかわかんないけど、今でもこんなんなのか!一年後には変わってるのかも知れないけどさ!
とりあえずどうにか近くのハローワの神殿へ。とりあえず中でいろいろ見繕って、若干荷物増えすぎた感もありつつ。
時間が迫ってきたので再び西の魔女ダンジョンに戻る。中の道具屋さんでちょこちょこ買いつつ魔王城の場所を訊くと「この近くにセーブポイントがあってねー…見える所まで一緒に行ってあげる!」と案内していただいた。道具屋さんには本当に感謝。
ってそういえば魔法を唱えるにはオナモミが必需品なのに持ってないぞ!と思い立ち、今度は武器屋に向かう…途中、大きな馬車とすれ違った。もしかして…
とりあえずオナモミを入手、さあ行くぞ魔王城!!!
…に行くのに、ダメージ床を歩くという…さっきの砂利道を歩いた者としては結構しんどい…。
一歩踏み出す毎にすり減って行く俺の体力と勇気。←バカ
到着前にもうゼーゼーだし緊張して仕方ないのである。
で、入口にこれから入っていくらしきモンスター達を見かけたので、慌てて追いかけ、一緒に入れてくれー!!!とばかりに「あの…魔王城ってここでいいんですか?」みたいなこと言ったらすぐ四天王っぽい子が出てきてくれて中に入れてくれたのだが、それとほぼ同時くらいに 魔 王 様 も 発 見 。
ってか、第二形態!?寒くないのか?
と思いつつ緊張しているのであまり魔王様を見ることが出来ず…。
とりあえず、魔王様はいないと自分に暗示をかけてやらないとできないなこりゃ((((;゚Д゚)))))))
「俺は!ただ!魔法を!唱えに!来たんだ!」
という強い暗示をかけ、中に入る。ビーオーエスエスの皆さんウエルカムな感じで。そりゃそうか…
って、魔王様から「コミーチャンネルを解放するがこの中に脳内アクセスされたくない者はいるか」と言うので………手を挙げた。ミツイとかイマヅカみたいな奴等が気付かないとも限らない。おかげで魔王様から話しかけられる事になったが、それについて意識してしまうと失神しそうなので詳しい言及を避けておく。
さて、今日やるラリーホーリーラっていう魔法の魔導書のレプリカが渡されて…実はこの魔法知らなかった…ともかく有志でお手本を見せてもらうことに。
………………てきめん!!!めっちゃ効く!!!
これから自分がやるんだと思って魔道書を追いながらだったから自分にはギリギリで効かなかったが、そういう意識抜きで掛けられていたらたぶん効きまくって爆睡だっただろう。
ただでさえ緊張しすぎて手が震え、魔道書のページをろくに捲れなかったのだから…
早速、立ち位置ごとに分かれて20分ほどレクチャー。
しんがりはここー、とか、センターはこっちー、とか…もう自分以外のモンスターはあらかたポジションが決まっているようだ。それもそのはず、前半と後半に分かれていて、前回のうちに前半のレクチャーを終えてしまったらしい。
俺はどうすりゃいいの!?って事で、通りかかった上級モンスターであるCさんとEさんに聞いたら先頭か二列目のどっちかがいいだろうと言われ…じゃあ先頭で!二列目は難しそうだから、という消極的な理由である。
というわけでCさん・Eさんと軽く自己紹介しつつ、練習開始。
練習というか、二人が唱えているのを真似して一緒に唱えるだけであるが…二人とも褒め上手だから本当に唱えられるような気になってきてしまう…
だけど思っていた以上にペースが早い!もう魔王城近くのモンスターはこんなハイペースで練習できるのか!恐ろしくてペースを緩めてもらってしまった。
ちなみに魔王様はその間、各ポジションを見て回っていたようだが、正直魔王様が今何をしているのかなんていうことを気にしている余裕すらなかった…逆にチラチラ姿が見えるのが恐ろしかった…もう「貴様は低レベルモンスター、パーティを組む資格などないではないか!早々に立ち去れ!」なんて言われやしないかともうビクビクで。
後で知った事だが、ビーオーエスエスの皆さんはここに来るまでの道中で暗記までしてくるからレベルの違いをまざまざと感じる、それもこのラリーホーリーラだけではなく、他に7つも。人によって唱えるやつと唱えないやつとあるようだが、全てそらで唱えられるまでに仕上げてくるという…前にもやっているのかも知れないが、それでも立ち位置が変わるなんてこともやっているので驚愕というほかない。まあ、そもそもの種族が違うのであろうし、ちゃんと指導してくれるモンスターがいるということなのであろう。
その指導の甲斐もあって、俺でもどうにか後半できた。あとは魔道書がシンプルなのに非常に効果てきめんになるように作られている。シンプルな海鮮出汁の効いたスープといった感じ。最高である。CさんとEさんには告げたが、実は魔法を唱えた事がないと言ったら嘘になるのである。自分でもやってみたが、ビーオーエスエスの皆さんみたいに上手くはいかず。先々月にやったやつなんて無駄に長いし前半と後半で全然違うし、終わりかけに難しい発音のものが入ってくるしで、例えるなら食材が無駄に多くて味にまとまりもなく雑味の多いラーメン。精神がゴリゴリと削られた苦い記憶が蘇ってくる…。あまりに黒歴史なのでお二人にすら言わなかったが、魔王様が使うサタンメテオライトも興味本位で唱えてみたことが…しかし大失敗して自爆したのは言うまでもない。
なお、二人からわからない所があったら訊いて、と言われたが、何がわからないのか自分でもよくわかっていないこの残念っぷり。レベル3とか4とかで雑魚キャラと呼ばれる所以である。一応何か書けるようにメモ帳も持ってきたのだが、ほぼ使わず…無能である…。魔道書に書いてもよかったのだが、書くならフリクションペン持ってくるんだったと後悔した。書き間違えても消せるから。仕方なく直接書いたら、緊張しすぎてめちゃくちゃ汚い字になってしまって羞恥の極みであった。
そうこうしているうちにそれぞれ仕上がってきたらしく、陣形を組んで少しずつそれぞれの呪文を混ぜていくことに。
アレ?ここで戦闘中によくある閃き発動。55行目から60行目のところ、こう、ぐわっとでっかい声出すとなんか効きそうじゃん?ということでそんな感じで唱えてみる。周りもなんかそんな感じの方向に流れていっている気がする。
何度か試してみたが、Eさんがこうしようと全体に言うんだけれどもあまり聞いてくれてなかったり伝わってなかったりと、ちょっとコミュニケーションが取れていないような部分も垣間見えた。こんな事もあるのか。
すると業を煮やした魔王様が
「貴様らはわかっていない…
ラリーホーリーラは掛ける相手に心地良く寝て欲しいと思って唱えるのだ!
何を良い気になってセンターを差し置いて大声で叫んでいるのだ!ただ大声を出しただけでは寝たくても寝られぬではないか!
自分が寝る時のことを思い浮かべてよく考えて唱えるのだ!」
と、タライボタンをポチッとして、俺の頭にガーンと落ちてくるタライ。
俺かー!!俺のせいかー!!!そうかもー!!!←
ううう…ツノが折れた…ボキッと折れた…二本中二本とも折れた…
そうか、俺の閃きは誤りだったのか…魔王様に認めてもらって、あわよくばボーナスとか昇給とか奮発してくれないかなぁなんて欲が心の奥底にあったんだな…そしてそれを見透かしたかのような魔王様の激昂…恐るべし魔王様…まあだから魔王様なんだろうけど。
と、ツノもそうだが心もボキッと真っ二つに折れてしまった俺。もう_| ̄|○←リアルにこんな。
しかし落ち込んでいる暇はない。
他のモンスターは「は〜なるほど〜」という空気になり、「魔王様は神!」みたいなことを言い出すモンスターも。しかし流石に魔王様だから神と呼んで欲しくはないようだ。
Cさん「でもほんと言うなれば神ですよー、
あっ魔王様のことは知ってますよね?」
ハイモウシッテルモナニモ(以下自粛)
で、本当に時間がないため、試しに一度ちゃんと魔法掛けるぞ!ということに。
魔王様「通しでよかろう」
…って魔王様?俺、初めてここに来て、前半部分はやってないんですけど?
CさんとEさんは「後半と同じ感じなんで大丈夫ですよ〜」みたいなこと言うし。
まあ、両脇に付いていてくれるから心強いが、不安には変わりなく、直前にEさんが魔王様(何故か俺の斜め後ろにいる)と何かを喋って笑っていたのだが、テンパりすぎて話に聞き耳を立てる余裕すらない。
ついに魔法陣を組み、センターの先導で…
“ラリーホーリーラ!!!”
…う、うん…な、なんとか、最後までいけた…かな…
実は最後の方でとんでもない間違いを犯しており、進行に支障が出たっちゃ出たけれども…
すると魔王様が
「貴様にも少しアクセスしてしまったようだ」
マジかー!!?
なんかそういえば途中、やっちまったなっていう瞬間が他にもあって……ああ思い出すのも憚られる…しかし、大丈夫と言うほかなかろう…とりあえず魔王様が怖すぎて何故かひたすら謝りたおす俺。
ここでお疲れって事で、上級モンスターの有志(HFASDさんもいる)でもう一つ魔法を掛けてもらうことに。
の前に、魔王様から低評価ボタンドォォォン押された音がしてびびる俺。うっ、俺になのか…!?って俺以外やらかした奴いないもんなこれ…
とりあえず陣形を組み
“ヒョード!!!”
うおわーめっちゃてきめん!!!
ちょっと当たって部分的に凍ってしまったほど。
HFASDさんの尻尾の先からしてすっげえかっこいい!!!
これぞチームワーク!これぞ魔法!!これぞ上級モンスター!!!巻き起こる拍手と感嘆の声。
全てが終わり、談笑などしながらビーオーエスエスさん達に囲まれる魔王様。
そんな魔王様達の隙を見て魔王城を脱出、そのままタツカワレール乗り場までダッシュ。
そして無事にタツカワレールに乗り、水の四天王の住処を後にしたのだった…。
というのが、今から確か7万年前の出来事である。
俺がその後どれくらいのレベルになったか?
それは訊かないでくれ。
その後のことは、話したくない。
俺があの場にいたということは、もう誰の記憶にもあるまい…
※なにかがフィクションです。
重ねて申し上げますが、質問等には一切お答え致しかねます。
各方面にごめんなさい、もとい、誠に申し訳ございませんでした。※
♪なにかの音楽