強さっていうのも結局のところ
グーチョキパーとか大貧民とか
三すくみみたいなもので
どれが最強ってことはないのだよなぁ
なんてことを思っているsachiakiです。
基本的に「強さ」と言われて思い浮かべるのは
身体的な強さであって、
それはいわゆる暴力的な強さだったりするんだけど、
今日の哲学対話のとっかかりで読んだ絵本にて
「せかいでいちばんつよい国」を見た時に
この絵本を描いた人はずいぶんと楽天的なんだなぁ
なんてことを思ったんですよね。
内容は
軍事力を誇る大国が他の国々を制圧していき
たった一つ小さすぎて制圧することも忘れていた国があったので
その最後の国を制圧するために訪ねて行ったら
そこには軍事力がなく、厚くおもてなしを受け、
気づいたら何ヶ月もその国にいることになり、
兵隊はすっかり弛んでしまって
小さな国の歌や遊びや仕事に興じてしまっている。
それではいかんと、たるんだ兵士は自国に帰し
新しい兵隊を呼び寄せるものの
結局同じことになってしまう、
しまいには軍事で制圧することもない
こんな国に兵隊はいらないと少数だけ残して
大国は去っていった。
そしてその大国といえば、
流行の遊びは小さな国のもの
流行の歌も小さな国のもの
料理を出しても小さな国で学んできたものと
すっかり小さな国の文化が大国に染み込み
ついに大国の戦争好きな大統領も
息子にねだられて歌う歌は全て小さな国のものになった。
というオチなんですけどね。
ハードなパワーに対してソフトなパワーが一番強いのだ
っていうことを啓蒙するための絵本だったのだろうな
って思ったんだけど、
いやさ、戦争する理由が「自国の幸せの押し付け」で
それって文化制圧ってことだから
軍事で攻めて行って軍事力がないから
じゃぁおもてなしだけ受けよう、
なんてことにはならんわな。
多少はおもてなしも受けてご満悦にはなっても
「ここを我が国とする!」ってなった時の
大国がすることっていえば
言葉を奪い、歌を奪い、書物を捨てさせ
建築などもすっかり自国のものにすり替えていくものだから
小さな国の文化なんてあっという間に制圧されちゃうんですよね。
それが発展を促すこともあるし
プラスの面がないこともないんだろうけれど、
基本的には制圧される側の自分達の生活様式ってのは
すっかり様変わりするのが世の常だってことなのですよなぁ。
なので、この絵本でソフトパワーの強さを出すためには
一度制圧されたけれども、
実は根強く文化は残ったっていうものの方が
”らしい”とは思うんだけど、
まぁ子供向け絵本なので、そんな複雑さはいらんかとも思ったり。
それはそれとして、ここでは暴力の強さを凌ぐのは
文化というソフトなパワーだっていうのもそうなんでしょ。
最近の中国が日本のアニメ力を取り込んで
世界中にクオリティの上がった中国のアニメを発信し
どんどん中国のものが浸透してきているわけですしね。
そしてそれを先んじていたのは
日本のアニメや「漢字」で
「漢字」は文字通り「漢の国(中国)」のものだったけれど
日本の国字となった「漢字」の方が簡単に表記できるってことで
いつに間にやらすっかり根付いたようなのですよね。
世界中で40年以上前の日本のアニメたちが放映され
40年かけてソフトな力はすっかりよその国を魅了し
アニソンは世界ツアーをすれば完売してしまうような
そんな力となったわけで
たしかにそれは凄いことだと思うんだけど
じゃぁ実際、日本に軍隊が攻めてきましたって時は
(そもそも現地に攻め込む必要もないんですよね。
ミサイル撃ちゃ良いだけなんですから)
アニメあるぜ!コスプレあるぜ!日本の神社仏閣綺麗でしょ?
なんてのは通らないんですよね。
たぶん。
・・・
と、ちょっと不穏な方に話がいきそうだったのでとまれ。
そういう話だけでなく、
例えば未知のものに挑む無謀さも強さなら
未知のものを分析して理解するのも強さだし
未知は未知として受け入れるのも強さでしょうし
未知のものを無視するのも強さでしょう。
さまざまな方面の強さがあって
それの組み合わせ次第で
通用することとしないことっていうのがある
って感じなんじゃないかなぁ。
なんてことを思いながら哲学対話を楽しんできました。
最後には「強さ」と「生きること」に結びついた話になって
「死を受け入れ覚悟がでいること」が
「強い」ってことなんじゃないですかね
なんて話になったのでした。
ちょうど「いのちの初夜」を先日読んでいたのもあって
どんだけ「死」が身近になっても
覚悟が決まらないってのが人間な気もするんだけど
強いも弱いも出ているところ次第だしね。
と、もう3,000文字行ったのでこの辺にて。
他の人たちは「強さ」をどう答えるんだろう。
「はじめの一歩」でも答えは出てなかった気がするので
やっぱり答えはないのかもしれないなぁ。
このクソ長い日記を読んでくれた方は
ぜひ考えてみてください。
それではまた。モイモイ。