宝石の国の作者さんこと市川春子さんの漫画が好きで
宝石の国もずっとハラハラしながら読んでいて
アニメになった時はあの宝石たちがキラメキながら
画面いっぱいに飛んだり跳ねたりして
感動したのを覚えているsachiakiです。
市川さんの漫画の特徴として
けっこう身体破壊がすごいっていうのがあって
虫が進化した人間の話の時も
人間の体に化けていた星の話の時も
けっこうボコボコに穴が開いたり
バラバラと砕けたりとしていたので
宝石の国も宝石の擬人化なだけあって
硬度の脆いものはバラバラと破壊され
顔なんかも容赦無くやられるので
ビックリした人も多いのではないでしょうか。
それでもそういったクラッシュな部分は取り除いても
一貫して外側ではなく中身、魂的な話を描き続け
手塚治虫賞を受賞している目線は鋭く
宝石の国でも「身体」「命」「心」をテーマに
体は美しいけれど心がないとか
心はあるけれど、身体が脆いとか
不死であるが故の苦悩だとか
よくもここまで突き詰めてくれたものだと
思いながら読んでいます。
単行本派なので最終話が収録される最終巻を読むのは
まだ先になりそうなので
ネタバレしたくないな〜って気持ちと
早く読みたいから最終話だけ
雑誌のアフタヌーン買ってこようかと
モヤモヤしているところです。
宝石の国では最初はわかりやすい
外敵と戦う宝石たちという構図ですが
だんだんと話が進んでいくにつれて
外敵の事情や、そもそも論としての人間とはなんぞや?
という問いかけまで出てきて
「人間」を定義することの難しさなどを感じたり、
なにが正しいかわからなくなる倫理観など
モリモリ沢山なので、
さすが四季賞のあるアフタヌーンの漫画だけあるなと
唸るばかりです。
私は漫画のクオリティは
講談社が一番いいと思ってるので
贔屓目にしているってところもあるかも……。
宝石の国の主人公ことフォスフォフィライトは
硬度3の貧弱宝石で好奇心旺盛なおバカさんで
すごく可愛らしいスタートを切っていったのですが
その脆さと好奇心の強さで
体が砕けることが多いんですけれど
その度に体を修復する時に
足りなくなってしまった宝石分を
他の鉱物との相性が良いという性質から
別の物質で補填できるゆえに
白銀と金の合金やら真珠やラピスラズリなどがとりこまれ、
そのたびに身体の失った分の記憶が欠損したり
くっついた分の能力が向上したりと
複雑怪奇なものへと変化していくんですよね。
複雑にもなれば苦悩も増すってもので
最終巻手前のフォスは弥勒菩薩としての象徴
56億7千万年後という数字に近いものを
背負わされたりして
(漫画の中では孤独が悟りを拓くまでの
時間を収縮させ1万年程度となっている)
最終巻直前の12巻では悟りを拓いた(?)
フォスの姿が圧巻です。
ていうか、ブッダも弥勒菩薩も
悟りを拓くために自主的に苦行や
人々を救う道を歩んでいるんだけど、
フォスは押し付けられた悟り道なので
なんかエエエェ!!!?って気持ち。
とはいえ、カラマーゾフのミーチャみたいに
放蕩三昧からの獄中での目覚めなんてものもあるから
押し付けられるものというのが
自分で掴んだものなのか、
誰かの意思の介在によるものなのか
なんてのは大した差はないのかもしれないね。
なんにしても圧倒的な慈悲の12巻から
最終巻がどうなるのかが気になります。
わざわざ一巻残したってことは
想像している分以上の物語がありそうなので。
楽しみですね!ってことでモイモイ
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