日野市の“東光寺第一緑地”に生育している「ジョウシュウカモメヅル(上州鴎蔓)」。キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属のつる性多年草で、コバノカモメヅルの花径が7~8ミリなのに対して本種は2センチほど。ここではその両方とも見られたので蔓を近づけて大きさを比較してみた。左上のコバノカモメヅルは花径が小さいが花被片はやや太めになる。
裏高尾“小下沢林道”の林縁に生育している「ナンバンハコベ(南蛮繁縷)」。ナデシコ科ナンバンハコベ属のつる性多年草で“南蛮”の名前から外来種と思われがちだが日本固有種。このユニークな花の形を外来と誤認されて命名されてしまった。去年は間近で花を確認できたが今年は有刺鉄線に阻まれ近付けない。止む無く望遠レンズで撮ってトリミングした。
上柚木の“多摩ニュータウン上柚木優先分譲地公園”で今年も咲き始めた「コヒガンバナ(小彼岸花)」。ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で同属のヒガンバナより1ヶ月程度開花が早い。ヒガンバナは古来中国より持ち込まれたが、最初に持ち込まれたものが3倍体で果実が出来ず株分けによって日本全土に拡がっていった。つまり日本のヒガンバナのほとんどがクローンで同じ遺伝子を持っており、ソメイヨシノのようにほぼ同じ時期に開花する。一方、コヒガンバナは2倍体のため結実して種子が出来る。
ハマウツボ科(←ゴマノハグサ科)ヒキヨモギ属の「ヒキヨモギ(引蓬)」。イネ科植物に寄生する一年草で花期は8~9月。写真は若い果実の様子で長さ2センチほどの蒴果。縦に8本の稜がある。熟すと裂開して中から長さ1ミリほどの種子を多数零す。