奥高尾の登山道脇に咲いていた花。花茎が輪生していないのでソバナとしていたが、当地の専門家からこれは「フクシマシャジン(福島沙参)」とのコメントを頂いた。キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草で中部地方以北に分布する多年草。ツリガネニンジンに良く似ているが花は釣鐘形よりやや円錐形に近い。高尾山系では本種やソバナは稀に見られる。“沙参”はツリガネニンジンの根を乾燥させた生薬だが、本種はツリガネニンジンに似て福島県で最初に発見されたことで名付けられている。
キキョウ科ツリガネニンジン属の「ツリガネニンジン(釣鐘人参)」。北海道~九州の山野に分布する多年草で、花が釣鐘状になり根が朝鮮人参に似ているので名付けられている。花期は8~10月で茎の上部に数段に輪生する花を数個ずつ咲かせる。これは東光寺第一緑地のもの。
鑓水地区の畑地で見られる「オランダキジカクシ(阿蘭陀雉隠)」。キジカクシ科(←ユリ科)クサスギカズラ(草杉蔓)属の多年草で雌雄異株。いわゆる栽培作物の「アスパラガス(竜髭菜=Asparagus)」のことで若い茎が食用になる。雄株は果実や種子を作る必要が無いので雌株よりも成長が早く春の新芽はより太い。そのため栽培されているものは雄株が多く雌株は少ない。写真は雌株の果実で直径7~8ミリ。同属のキジカクシに比べ花柄(果柄)が長い。
さて今日は親友の次男の結婚式に出席するため神戸三宮の“北野クラブ”まで遠征。彼とは高校一年生の時からの付き合いで大学生の時には一緒に東海道、山陰道、北海道の自転車旅行をした仲。もちろん今日の花婿は生まれた時から知っていて私の息子の幼馴染でもある。三宮は阪神淡路大震災前に比べると全く景色が変わってしまったが、私が社会人4~6年目に勤務していた街でありとても懐かしい。
野津田公園の野原で見つけた「ジョウシュウカモメヅル(上州鴎蔓)」。キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属のつる性多年草で花径は2センチほど。コバノカモメヅルの変種でコバノカモメヅルの花径が7~8ミリなのに対して本種は15~20ミリと大型になる。関東~近畿地方の山野に分布し群馬県の榛名山で最初に確認されたため“上州”の名が付けられている。
マメ科タンキリマメ属の「タンキリマメ(痰切豆)」。関東地方以西の海岸や低地の野原などに生育するつる性多年草で、内陸の八王子では見られないと思っていた。ところが当地の“由木の植物目録”に記載があり先月やっとその葉を確認した。開花を楽しみに待っていたが、久し振りに訪れると数輪の花が見つかった。花はトキリマメと同じで花だけでは区別できない。
奥高尾“日影林道”で見掛けた「ミヤマタニワタシ(深山谷渡)」。マメ科ソラマメ属の多年草で草丈は30~40センチ。花の長さは1.5センチほどでナンテンハギの色合いと良く似ている。葉が2枚ずつ付き茎が節ごとにジグザクになる。低地で見られるナンテンハギがタニワタシと呼ばれるが、本種は山地に生育することから“深山”の名が付けられている。
今年初めて確認した「ツノホコリ(角埃)」。動物と植物の間に位置している変形菌や原生粘菌で枯れ木などに発生する。変形菌や原生粘菌はキノコやカビなど菌類の仲間(真菌類)ではなくアメーバの仲間(アメーバ動物類)というのは既に説明した。この日、南高尾の大垂水峠から小仏城山を目指す山道で別の朽ち木にまたツノホコリの担子体を見つけたのでマクロで撮ってみた。白いゼラチン質のツノ状で長さは1~2ミリ。この先端に胞子がある。
ナス科イガホオズキ属の「イガホオズキ(毬酸漿・毬鬼灯)」。全国の山地の林内に生育する多年草で草丈は50~60センチ。6~8月に葉腋から下向きの花を咲かせ、花後にイガイガのある萼片が果実を包む。これは長池公園“ながいけの道”でここでは花と果実が同時に見られた。