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フランク王国の勉強は、ローマ教会と帝国の関係、王国と帝国の違いを知ることが鍵かも?

2011年06月25日 11時14分46秒 | 歴史の勉強の際に知っておくと良いもの

昨日もたくさんのアクセスありがとうございます。

昨日は、世界史の中世ヨーロッパのフランク王国をやりました!〓

フランク王国の歴史はローマ教皇(ローマ教会)の歴史と密接に結びついています。

西ローマ帝国が滅びた後、ローマ教会は後ろ盾を失ってしまいます。〓


しかも、東ローマ帝国という後ろ立てのあるコンスタンティノープル教会とも、聖像禁止令をきっかけに仲違いしていき、ローマ教会は窮地にたたされちゃうんですね。

そんなとき、正統のアタナシウス派キリスト教に改宗したフランク王国のカール=マルテルが異教徒からキリスト教世界を守ってくれたわけですよ!
ローマ教会は、「後ろだてを見つけた!」と思ったんです。
それで、カール=マルテルの子ピピンにフランク王位を次がせ、ついでピピンの息子カール大帝に戴冠をして、かつてローマ教会の後ろだてだった西ローマ帝国を復活させます。〓
つまり、これは、東ローマ帝国&コンスタンティノープル教会、フランク王国(西ローマ帝国)&ローマ教会という同等の図式を復活させた、ということも言えるんですよね。


以上のことは、教科書に書いてある事柄をまとめただけです。そうすると、「なんで、こういう流れになるの?」と思う方もいらっしゃると思います。

このような流れになるには、実は次のような前提があるんですよね。〓

①国王(王国)と皇帝(帝国)の違いを認識する

→王はあくまで一つの国のトップなだけだけど、皇帝はさまざまな国にいる王をまとめる役目なんですね。つまり、精神的には王よりも皇帝のほうが上なわけです。

②キリスト教の教会と帝国の関係はとても密接なものだと認識する

→ゲルマン民族の大移動により、西ローマ帝国が滅亡し、西ヨーロッパには皇帝(帝国)は消滅しちゃったワケです。

皇帝と教会の密接な関係がなくなりました。

教会からしたら、西ローマ皇帝という相棒がいなくなったので、あらたな相棒が必要です。
まわりは、その相棒を倒したゲルマン民族の王国がいっぱい!

その地に、皇帝制をローマ教会が西ヨーロッパで復活させたら、それはその皇帝とタッグを組んでいるローマ教皇は、西ヨーロッパのゲルマン人の王国を含む様々な国を精神的に統一したとも言えるわけです。
それで、ローマ教会は、異教徒からキリスト教世界を守り、正統アタナシウス派に改宗しているフランク王国に歩み寄り、ピピンに王位をつがせ、ついてカール大帝に皇位をつがせ、つまり戴冠を行います。

カール大帝の死後、フランク王国は三つに分かれてしまい、その後、カールの血筋も絶えてしまいます。

つまりそれはまた、ローマ教会は後ろだてを失った状態になっているわけで・・。
そこで次は、三つに分かれた国の一つ、東フランクの王に戴冠をし、ローマ帝国を復活させます。名前は、西ローマ帝国ではなく、神聖ローマ帝国ですし、多少の違いあるんですが、二回目の西ローマ帝国の復活だと思っても良いとは思います。


この時代は、

ローマ教会と西ローマ帝国の関係、
皇帝(帝国)と国王(王国)の違い
をはっきりさせれば、わかりやすいと思います。

とくに、西ローマ帝国というのは、ただの歴史の、一過程の国ではなく、西ローマ帝国ありきの西ヨーロッパだと考えると、さらにわかりやすいかな?と。

また、イスラーム勢力、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の関係まで考えるとよりグッド。


先生や生徒によっては、
「教科書に書いてある以外のことは言わないで!」とか「用語並べで覚えればいいから、そういうことを言われると、どこを覚えればいいかわからず、かえってややこしくなる!」「語呂合わせを教えて!」とおっしゃる方もいると思うんですが、逆に、「背景を説明してほしい」という方もいらっしゃるのも確かなんですよね。

用語暗記や語呂合わせの本などは多いので、わざわざ私までやらなくても、と。とくに語呂合わせは私は嫌い!用語だけ覚えても、理解できなきゃ勉強の意味が半減して、もったいない!

だから、私は私なりに、出来ることをしたいなぁと思います。
ただし、わかりやすい説明をもっと出来るようには努力は常に必要だけれど〓
でも、またその努力が楽しいんですけどね。〓






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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます! ()
2013-01-15 22:08:57
参考になりました!
返信する
ありがとうございます (管理人(萬火))
2013-01-25 23:30:13
コメント承認&返信がおそくなってしまい,
申し訳ありませんでした。

コメントありがとうございます。

お役に立てることが出来てうれしいです。
返信する

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