今私たちは信州のドルカスの家に来ている。
ところで写真のみかげ石のベンチは、大きな道路の歩道に面している。
でもここは公園ではないし、バス停があるわけでもない。どうも個人の土地にあるようだ。
これは信州はドルカスの家の前に置いてあるベンチで、道行く人がいつでも座っていいように、私製だが公道に提供されているベンチだ。実にめずらしい。
このベンチには散歩の親子が休んだり、買い物帰りの人が腰をおろして一服している(タバコの吸い殻を私は掃除した)。
このベンチにはもう一つの不思議があって、写真ではよくわからないが、実は中央部に碁盤が彫ってあって、その手のことが楽しめるようになっている。玄関の角には道標のような道しるべもあって、実に変な家である。
種を明かせばドルカスの実兄が造園家で、この家を単なる個人の家にして独り占めにするのではなく、少しだが人々のお役に立ちたい願いを形にあらわしたものなのだ。昨日のテーマ、分け合うことのすばらしさを実践したものと言える。 (ケパ)