ゆんのひとり言

~お酒とお芝居と歌とスイーツをこよなく愛するゆんの日記~

「Le Fils(息子)」@東京芸術劇場

2021-09-12 13:00:00 | 観劇記&鑑賞記

男闘呼組熱再燃の話は書いたかと思いますが,
久しぶりにオカケンを生で見たいなぁ,と思いまして。
ちょっと前に出演していた作品は,
とても重そうだったのでパスして,
親子共演で話題の「Le Fils」を観に行ってきました。
(ネタバレしてます)

入口では手荷物検査がありました。
初めてです。
バッグの中までひっくり返すわけではありませんが,
よからぬことを考えている人への抑止力にはなりそうです。
最近,いきなり刺されたり硫酸かけられたり,
怖い事件が続いてますもんね。

発売初日にチケ取りしたので,
視力落ちまくりの私でも,表情の見える席をゲットできました。

舞台は,白い可動の壁が左右に動いて
ピエールの家,アンヌの家,病院などが現れます。
とてもシンプルでシックなセット。
大きく開いた窓から差し込む光が美しいです。

両親の離婚を機に心を病んでしまった少年・ニコラ(岡本圭人)が
学校に行けなくなっていたことを知った母母・アンヌ(若村真由美)は
別れた夫・ピエール(岡本健一)に相談に行きます。
ニコラとの同居を申し出るピエール。
しかし,ピエールはソフィア(伊勢佳世)と再婚し,
幼い息子が生まれたばかり。

心の苦しさをうまく言葉にできないニコラに
学校へ行け,友達を作れ,頑張れ!と,
ピエールはかつて自分が父に言われ苦しんだ言葉を
ニコラへ投げかけてしまいます。
父とソフィアとの仲睦まじい姿を見て,
居場所が無いと感じるニコラ。
そして時に激しくぶつかり合う父と子。

ついに精神病棟に入院したニコラは,
退院させて欲しいと強く希望し,
病室に連れ戻そうとする医師と看護師に対して激しく抵抗します。
「両親の同意があれば退院は可能。
 しかしその際は,退院後に何があっても責任は問わないという
 免責の書類にもサインしていただきます。」
と告げられたニコラとアンヌは,息子を退院させることを決めます。

ピエールの家にやってきた,ニコラとアンヌ。
両親のために紅茶を淹れ「シャワーを浴びてくる」と
バスルームへ向かいます。
その直後,一発の銃声が鳴り響き…

いやー,なかなかヘビーな作品です。
ヘビーですが,ちょっとほっこりできる場面もあったりして,
それが余計に悲劇性を際立たせているような。。。
ことあるごとに「全て上手くいく」「俺に任せておけば大丈夫」
と繰り返すピエールの言葉が虚しいです。

医師役の方(浜田信也),何か見覚えがあると思ったら,
イキウメの方でしたか。
出番は少ないですが,良い医師なのかそうではないのか
どちらとも取れるような佇まいで,印象的でした。
看護師(木山廉彬)も,どことなく怪しい空気を醸し出していて
退院させた方がいいのだろうか…という気になってきます。

久しぶりに生で拝見したオカケン,
なんか声がだみ声みたいになっていて,あれ???と。
そんな声だったっけ?いや違うよね?と
気になってしまいました。
相当声を張り上げる場面が多いので,喉を潰されたのでしょうか。
ほぼ出ずっぱりで舞台を引っ張っておられました。

これがストレートプレイ初舞台という圭人くんは
堂々とした演じっぷりでしたねー。
何を考えているかよく分からない不気味さも良く出ていました。
アンヌの若村さんは,お美しい!
息子への愛情はたっぷりあるのにねぇ。。。
そして,ソフィアの明るさ・強さが救いになっていました。
ソフィアとピエール,今後も家族3人で生活していけるのでしょうか…。

銃声が鳴り響いた後,一瞬の間をおいてすぐバスルームへ走るアンヌと
その場に立ち尽くすピエール。
静と動の対比が美しかったです。
そう,視覚的にとても美しい作品でしたね。
だからそんなにイヤな気持ちが残らなかったのかも??

色々考えさせられるヘビーな作品ですが,
あっという間の2時間でした。
もう1回行ってもいいぐらいだなー。

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