今年最後のライフの公演は,「若草物語」をベースにした
倉田さんのオリジナル作品「ぷろぐれす」です。
倉田さんのオリジナルの新作は20年ぶりくらいになるそう。
若草物語は,子どもの頃読みましたねぇ。
ベスとジョー,は覚えてます。
病気がちな子と,勝気な子,でしたかしら。
あと,ガラスの仮面の劇中劇でも使われましたね。
北島マヤが月影先生に水ぶっかけられて高熱出しながら
迫真の演技をするやつ。
今なら確実にパワハラで訴えられるやつ…(^^;
今回は晦日と元旦の2チームです。
晦日のキャストは以下の通り。
溝口真理子(長女):関戸博一
溝口芙美子(二女):松本慎也
溝口日向子(三女):曽世海司
溝口球子(四女):石飛幸治
久我道彦:緒方和也
森貞夫:吉成奨人
溝口晴子(母):宇佐見輝
小津安子(伯母):伊藤清之
父を亡くし,事業を営む伯母の援助を受けながら
慎ましく暮らす溝口家が舞台です。
時代は昭和12年(だったかな)。
真理子はデパート勤務,芙美子は伯母の手伝いともう一つ仕事を掛け持ち,
日向子は女学校卒業後,家事手伝い
球子は17歳の女学生。
はい,キャストの実年齢と,役の年齢がほぼ逆に並んでますw
こういうことができるのも,舞台の面白さですよね~。
真理子のお見合いとジャズミュージシャン・森との恋,
芙美子と球子の衝突,淡々と家事をこなす日向子の道彦への秘めた思い,
母の強さと子供たちへの愛,逞しい伯母なりの子どもたちへの愛,
戦争目前の,家族の日常が細やかに描かれています。
関戸さん演じる真理子は,
あまり感情を表に出さないけれど,
召集令状がきた,という森に愛用のクラリネットを託され
去っていく森を,母の後押しを受けて追う場面は
気持ちがヒシヒシと伝わってきて,グッときました。
松本・芙美子は,当時で言うモガ的な感じでしょうか。
道彦に「お,御曹司!いらっしゃい」と声をかけるなど
フランクな性格です。
道彦からのプロポーズを「似すぎてるから」と断る
冷静な一面を持ち合わせています。
曽世・日向子は出しゃばらず,黙って家事をこなしますが
要所要所で内に秘めた思いが伝わってきます。
薄幸の女性役,曽世さんがまた合うんですよねぇ。
桜の園のワーリャを思い出させます。
石飛・球子は,ザ・末っ子!という感じ。
でも,上の姉2人が楽しそうに音楽会に出かけたり
子供はダメ!と邪険にされる悔しさ,分かる~~~と。
緒方さん演じる道彦は,お金持ちの三代目だったかな。
若干軽薄な雰囲気がありつつ,
ボンボンならではの育ちの良さ,素直さがあって
ステキでした。
日向子が惹かれるのも分かります。
吉成さん演じる森は,後半のみの登場で,
作品に「戦争」を持ちこんでくる役所。
最後の球子の語りで,無事に帰還してきたとのことなので
真理子と幸せになってほしいです。
宇佐見母さんは常に和装なのですが
所作は美しいし,昭和の良き母!という感じ。
お肌ツヤツヤでお若いのに,ちゃんとお母さんでした。
球子の名づけの秘密を暴露する場面は,可愛い♪
どんな爆弾発言が飛び出すのか,ドキドキしちゃいましたw
伊藤伯母さんはこのチーム最年少と思いますが,
ちょっと口うるさい,仕事のできる女性を好演。
「ありがとうよ」といった,独特のセリフ回しも
嫌味なくて,素敵な伯母様でした。
レトロな雰囲気のステンドグラスや照明がステキで
こういう喫茶店あったら長居しちゃうなー,という感じ。
球子が邪険された腹いせに,
芙美子がとても大切にしていた本を燃やしちゃう場面。
芙美子はどうしても許せなくて,
球子はお小遣いをはたいて,同じ本を買いに行き,
帰りに雪に降られて電車が止まって,帰れなくなっちゃうんですけどね。
「許す」「許さない」って,決めるのは自分じゃないですか。
でも,「謝ってるしいいじゃない」
「これだけ謝っても許してもらえないのね」など,
「許さない」ことが許されなくなるんですよね。
でも,バイブルのように大切に何度も読み返して,
思いついたことなんかを書き込みしている,
世界に1冊の本を燃やされて,許せって言われてもねぇ…と。
気まずいから,許さざるを得ないのかなぁ…とか
考えちゃいました。
100分というコンパクトな長さで見やすかったです。
別チームも楽しみです♪