(原題:The Commitments )91年作品。アラン・パーカーがイギリス(まあ、本作の舞台はアイルランドだが ^^;)で撮った映画は、やっぱり活きが良い。ダブリン北部の労働者の街を舞台に、本格的ソウル・バンド<ザ・コミットメンツ>結成に情熱を燃やしプロを目指して頑張る12人の若者の姿を追った青春映画。
私はパーカー監督の最高作は「フェーム」(80年)だと思う。社会性を前面に押しだした映画よりも、それをモチーフとして若者の夢や希望をビビッドに描き出す青春映画の担い手であるこの監督の力量を評価していたのだが、この作品は「フェーム」と同系統の映画ながら、それに劣らぬ魅力を発散している。バンドのメンバーを集めるオーディションのシーンは、無名のキャストばかりながら、短いカットの積み重ねが小気味よく展開する中で、それぞれの個性がキラキラと輝き、ワクワクさせられる。
圧倒されるのが<ザ・コミットメンツ>の面々が披露するソウル・ミュージックの数々で、パワフルかつ迫力満点。スクリーンが爆発しそうな演奏の連続は、「フェーム」での音楽学校の生徒たちが通りで踊りまくるあの素敵な場面とダブる。パーカー監督は本当に音楽がわかっている。
ステージだけでなく、バンドのメンバーたちをとりまく家族や友人たちの描写を通じて、音楽が生活の一部になっているダブリンの下町で暮らす人々が実物大にスクリーン上でとらえられている点も感心した。
「フェーム」がそうであったように、バンド活動を終えた主人公たちの“その後”はあまり重要ではない。大切なのは夢に向かって走ることで、結果はあとからついていくものだ。ラスト、皆が去ったあとの主人公のモノローグが泣かせる。映画が彼の一人称で語られることにより、多様な青春群像が観客一人一人に伝わるパーソナルなものとして収斂されていき、切ない感動を呼ぶ。
青春映画好き、そしてかつ音楽好きにはオススメの映画だ。サントラ盤も素晴らしい。
私はパーカー監督の最高作は「フェーム」(80年)だと思う。社会性を前面に押しだした映画よりも、それをモチーフとして若者の夢や希望をビビッドに描き出す青春映画の担い手であるこの監督の力量を評価していたのだが、この作品は「フェーム」と同系統の映画ながら、それに劣らぬ魅力を発散している。バンドのメンバーを集めるオーディションのシーンは、無名のキャストばかりながら、短いカットの積み重ねが小気味よく展開する中で、それぞれの個性がキラキラと輝き、ワクワクさせられる。
圧倒されるのが<ザ・コミットメンツ>の面々が披露するソウル・ミュージックの数々で、パワフルかつ迫力満点。スクリーンが爆発しそうな演奏の連続は、「フェーム」での音楽学校の生徒たちが通りで踊りまくるあの素敵な場面とダブる。パーカー監督は本当に音楽がわかっている。
ステージだけでなく、バンドのメンバーたちをとりまく家族や友人たちの描写を通じて、音楽が生活の一部になっているダブリンの下町で暮らす人々が実物大にスクリーン上でとらえられている点も感心した。
「フェーム」がそうであったように、バンド活動を終えた主人公たちの“その後”はあまり重要ではない。大切なのは夢に向かって走ることで、結果はあとからついていくものだ。ラスト、皆が去ったあとの主人公のモノローグが泣かせる。映画が彼の一人称で語られることにより、多様な青春群像が観客一人一人に伝わるパーソナルなものとして収斂されていき、切ない感動を呼ぶ。
青春映画好き、そしてかつ音楽好きにはオススメの映画だ。サントラ盤も素晴らしい。


