元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「部長の愛人 ピンクのストッキング」

2009-08-06 06:32:11 | 映画の感想(は行)
 86年にっかつ映画。もちろんロマンポルノの一作として撮られたものだ。監督は「ピンクのカーテン」シリーズで知られる上垣保朗。水島裕子扮するヒロインは服飾会社に勤めるOL。恋人もいるのだが、それとは別に以前の職場の上司だった中年の部長と不倫中である。よくある三角関係モノであるが、何かというと結婚を口にする彼氏を後目に主導権は絶えず彼女が握るあたりがいかにも今風と言える。

 舌足らずの声、冒頭の原宿(だと思う)を歩くシーンにかぶさるド下手なテーマ・ソング(水島裕子本人が歌っている)、しかし慣れてくるとけっこうカワイイという、絵に描いたようなアーパーOLぶりのヒロイン像が楽しい。すぐに責任を取りたがる恋人と家庭が忘れられない部長を手玉にとって“好きなの。あなたも、部長も、二人とも・・・・”とケロリとした顔で言い、最後には3人いっしょに記念写真まで撮ってしまうのだから、恐れ入る。

 しかし、“わたしって、子供の頃は人見知りして暗いコだったの。でもね、初めての人にふられてから、急に明るくなった”と、ふっとヒロインがつぶやくあたりは、ただの軽い映画ではないことを示している。そういえば脚本は女性(木村智美)だった。

 演出もなかなか好調。特に雨の中、部長の車でカーセックスのまっ最中にサンルーフがギギーッと開いて、するとカメラがクレーン(だと思う)で持ち上がって俯瞰の位置になり、ヒロインが悶えてサンルーフから乗り出して・・・・、というあたりの演出など、なかなかエッチでよろしいっ。

 それにしても“結婚してくれ”と迫る男に対して“いまのままでいいじゃない”とニコニコとした顔で答える女、なんだか私の身近にあったような話だなあ。うーん誰のことだったか・・・・思い出せん(私のことじゃないですよ。念のため)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする