(英題:Show Me Love)98年製作のスウェーデン映画。主演の二人の女の子の表情が素晴らしく、筋書きも悪くないのだが、イマイチしっくりいかないのは映像処理の方法にある。粒子の荒いザラザラの画面と手持ちカメラの多用はいたずらに“マイナー指向”をあおり立てるだけで、キワ物臭い印象さえ受ける。もっと普通に撮った方が良かった。
スウェーデン南部の地方都市オーモルに住む14歳のエリンは、母と姉と3人暮らし。社交的で友人も多い。一方、同じ学校に通う16歳を迎えたアグネスは、しつけの厳しい家庭環境の中でおとなしく暮らしているが、非社交的で孤立している。アグネスの両親は娘の誕生日パーティーを計画するが、彼女には呼ぶべき友達など一人もいないのだった。

しかし、当日誰も来ないはずだったパーティーに顔を見せたのは、エリンだった。これが切っ掛けになり、2人は仲良くなる。一時はこの町から出てストックホルムまでヒッチハイクで行こうとするが、あえなく失敗。それでも何とか周囲と折り合いを付けて、2人はこの町で新たな人生を模索する。
主人公達の内面が丁寧にすくい取られている。バカっぽく振る舞っていても、内に秘めた屈託は隠しきれない。実はアグネスはエリンに対して同性愛的な感情を持っているのだが、あくまでも自然なタッチで描かれ、違和感は無い。思春期特有の、誰もが抱く悩みと不安の中に巧みに昇華されている。ラストの処理も気持ちが良い。
ルーカス・ムーディソンの演出はドラマ運びに才気走ったところは無いが、堅実なものである。主演のアレクサンドラ・ダールストレムとレベッカ・リリエベリも好演。
しかしながら、冒頭に書いたような画面のタッチは残念だ。ドキュメンタリー風な手法に頼りたいのならば、フィクション然とした筋書きを改めてハードなリアリズム指向でいくべきだった。なお、本国スウェーデンでは同じ時期に公開された「タイタニック」よりも観客を集め、主演2人は演技賞を獲得している。
スウェーデン南部の地方都市オーモルに住む14歳のエリンは、母と姉と3人暮らし。社交的で友人も多い。一方、同じ学校に通う16歳を迎えたアグネスは、しつけの厳しい家庭環境の中でおとなしく暮らしているが、非社交的で孤立している。アグネスの両親は娘の誕生日パーティーを計画するが、彼女には呼ぶべき友達など一人もいないのだった。

しかし、当日誰も来ないはずだったパーティーに顔を見せたのは、エリンだった。これが切っ掛けになり、2人は仲良くなる。一時はこの町から出てストックホルムまでヒッチハイクで行こうとするが、あえなく失敗。それでも何とか周囲と折り合いを付けて、2人はこの町で新たな人生を模索する。
主人公達の内面が丁寧にすくい取られている。バカっぽく振る舞っていても、内に秘めた屈託は隠しきれない。実はアグネスはエリンに対して同性愛的な感情を持っているのだが、あくまでも自然なタッチで描かれ、違和感は無い。思春期特有の、誰もが抱く悩みと不安の中に巧みに昇華されている。ラストの処理も気持ちが良い。
ルーカス・ムーディソンの演出はドラマ運びに才気走ったところは無いが、堅実なものである。主演のアレクサンドラ・ダールストレムとレベッカ・リリエベリも好演。
しかしながら、冒頭に書いたような画面のタッチは残念だ。ドキュメンタリー風な手法に頼りたいのならば、フィクション然とした筋書きを改めてハードなリアリズム指向でいくべきだった。なお、本国スウェーデンでは同じ時期に公開された「タイタニック」よりも観客を集め、主演2人は演技賞を獲得している。