81年作品。監督は岡本喜八だが、彼の全盛期は60年代か、強いて言えば70年代半ばまでだろう。本作もそれほどアピール度は高くない。同監督のファンで、全作品をチェックしたいと思っている映画ファン以外には、現時点ではあまり奨められないと思う。しかしながら、この年のキネマ旬報ベストテンにはランクインしており、リアルタイムで鑑賞していれば印象は変わったかもしれない。
不良少年の小此木次郎は悪さをしてブタ箱に入れられた際、そこで無銭飲食で捕まった年嵩の男たちと知り合う。彼らは自分たちを独立国であるヤマタイ国の国民と名乗っており、次郎は呆れつつも興味を持つ。後日、それぞれ釈放されるものの、次郎は彼らのことが気になってガールフレンドのトミ子と一緒にヤマタイ国を探す。
すると何と、そこは行方不明になっている次郎の父親が彼らに無償で貸していた物件だった。次郎はヤマタイ国に乗り込むが、スパイ容疑とやらで捕まった挙げ句に、無理矢理に“帰化”させられてしまう。こうして若造と怪しい老人たちとの奇妙な共同生活が始まる。
オッサンどもは製作当時からすれば戦中派ぐらいだろうが、別に先の戦争に対する屈託や物言いが横溢するわけではなく、ただ何となくバカなことをやっているだけだ。しかしながら、やたら年寄り臭くなることは何とか回避されている。その理由はたぶん、脚本に岡本御大だけではなく次郎に扮する利重剛が加わっているからだろう。
彼は本作が撮られた時期はまだ二十歳前であり、ヤマタイ国創立などという年寄りのお遊びを一歩も二歩も引いた地点から見ていたと思われる。その醒めた立ち位置は、ヤマタイ国の地下に不発弾が見つかったり、保険金殺人事件を追う刑事たちが勝手に話に加わったり、さらに関西から来た殺し屋が乱入してきたりといった荒唐無稽な筋書きを前にしても少しも揺るがない。いわばキャラクターに媚びないようなテイストを取り入れていることが、本作の(岡本喜八の映画としては)特異性を際立たせて評論家筋にウケたのだろう。
しかも、意味も無くモノクロで撮られている点も好事家の興味を引きやすい。利重剛以外のキャストは、財津一郎に本田博太郎、小沢栄太郎、田中邦衛、殿山泰司、岸田森、寺田農、光石研、速水典子など、かなり豪華。タミ子役の古館ゆきも良い味を出している。なお、音楽担当は大御所の佐藤勝で、ここでも安定した仕事ぶりを見せている。
不良少年の小此木次郎は悪さをしてブタ箱に入れられた際、そこで無銭飲食で捕まった年嵩の男たちと知り合う。彼らは自分たちを独立国であるヤマタイ国の国民と名乗っており、次郎は呆れつつも興味を持つ。後日、それぞれ釈放されるものの、次郎は彼らのことが気になってガールフレンドのトミ子と一緒にヤマタイ国を探す。
すると何と、そこは行方不明になっている次郎の父親が彼らに無償で貸していた物件だった。次郎はヤマタイ国に乗り込むが、スパイ容疑とやらで捕まった挙げ句に、無理矢理に“帰化”させられてしまう。こうして若造と怪しい老人たちとの奇妙な共同生活が始まる。
オッサンどもは製作当時からすれば戦中派ぐらいだろうが、別に先の戦争に対する屈託や物言いが横溢するわけではなく、ただ何となくバカなことをやっているだけだ。しかしながら、やたら年寄り臭くなることは何とか回避されている。その理由はたぶん、脚本に岡本御大だけではなく次郎に扮する利重剛が加わっているからだろう。
彼は本作が撮られた時期はまだ二十歳前であり、ヤマタイ国創立などという年寄りのお遊びを一歩も二歩も引いた地点から見ていたと思われる。その醒めた立ち位置は、ヤマタイ国の地下に不発弾が見つかったり、保険金殺人事件を追う刑事たちが勝手に話に加わったり、さらに関西から来た殺し屋が乱入してきたりといった荒唐無稽な筋書きを前にしても少しも揺るがない。いわばキャラクターに媚びないようなテイストを取り入れていることが、本作の(岡本喜八の映画としては)特異性を際立たせて評論家筋にウケたのだろう。
しかも、意味も無くモノクロで撮られている点も好事家の興味を引きやすい。利重剛以外のキャストは、財津一郎に本田博太郎、小沢栄太郎、田中邦衛、殿山泰司、岸田森、寺田農、光石研、速水典子など、かなり豪華。タミ子役の古館ゆきも良い味を出している。なお、音楽担当は大御所の佐藤勝で、ここでも安定した仕事ぶりを見せている。