元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

REVOLVERのスピーカーを聴いてみた。

2013-06-16 05:58:17 | プア・オーディオへの招待
 イギリス南西部のプリマス発祥のオーディオメーカー、REVOLVER社のスピーカーを聴いてみた。日本では製品を置いてある店は少ないが、70年代後半の発足から現在まで幅広い価格帯のスピーカーおよびアナログプレーヤーを提供し、本国では評価の高いブランドだという。

 今回聴いたのはトールボーイ型のMusic Series 5で、駆動していたアンプはコントロールアンプにROTELのRC-1580とパワーアンプの同RB-1592という組み合わせだ。



 私はREVOLVER社のスピーカーに接したのは初めてだったのだが、これはかなり良い音だと思う。パッと聴いた感じはフワリとした美音調ながら、その背景には高い解像度とメリハリの良さがある。高音はストレスが無く伸びきり、低域も意外と腰が強い。

 ROTELのアンプでドライヴしていたせいもあるだろうが、音は暖色系で聴きやすい。音場は上下方向に広く、見通しが良い。ヒステリックな部分も見当たらず、長時間でのリスニングでも疲労感は少なそうだ。

 特筆すべきは指向性が全然シビアではないこと。先日聴いたFALの製品ほどではないが、リスニングポジションは相当広い。試聴したショップ店長の話がとても面白く、既存オーディオ機器や大手メーカーに対する批判がポンポン飛び出したが、その中の“指向性の厳しいスピーカーなんてのは不良品だ!”というセリフは私もある程度同意したい。

 だいたい、音楽を聴くのに部屋の特定ポイントで身じろぎもせずシステムに向かい合うというのは、ナンセンスだ。そんな求道者みたいな姿勢をリスナーに要求する製品およびそれを手掛けるメーカーは、消費者をナメていると思う。



 指向性がシビアなスピーカーの代表選手として独ELAC社のモデルが挙げられるが、案の定、店長氏はELACのスピーカーを舌鋒鋭く批判する。いわく“あれはそもそも高域ユニットがボロく、低音ユニットもそれに合わせて作っているから当然ボロい。結果として明後日の方向にしか音が飛んでいかない欠陥品の出来上がりだ”とのこと。まあ、私はELACのスピーカーは評価しているが(コンパクト型のみ。フロアスタンディング型は全然ダメ)、指向性の厳しさだけは如何ともし難いと思う。

 Music Series 5は定価が30万円で、実売が25万円ほどだ。そんなに高くなく、繋ぐアンプを選ぶような特定帯域での強調感もない。ちなみに、ROTELの一番安価なアンプであるRA-05SE(定価8万5千円)でドライヴしてみても、特に聴き辛くなるようなこともなく、スムーズに鳴ってくれた。

 実家のメイン・システムで使っている、とうの昔に飽きが来てしまったDIATONEのスピーカーをいつか更改しようと思いながら随分年月が経ってしまったが(笑)、最近ようやく“実行”に移そうかという気になってきた。おそらくMusic Series 5は有力候補になるだろう。もちろん、他にも評判の良い製品は数多くあるので、試聴を重ねてじっくりと選びたい。

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3 コメント

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Unknown (supitarou)
2013-08-06 15:26:49
はじめまして。よろしくお願いします。

revolverのスピーカーは大変興味がありましたので、興味深く読ませていただきました。自分にはこれでも高いので簡単には買えませんけど(泣)。

自分はmusic1とローテルを聴いたとき、自分持ちの音の悪い曲がしっかりなっていたし、吉田苑的に良い音だなあと感心しました。でもmusic1は低音が少なすぎると思いやめました。

自分が視聴した店はローテル専門店みたいな店なんですけど一番使いやすそうなmusic3は評価が低く(無理に出そうとしてるせいで低音がイビツみたいなことを言ってたような、、)、music5はいきなり値段が跳ね上がり、トールボーイということもあって結局持っていません。

自分が行った店の店長さんの講釈は寅さんみたいで面白いのですが他のメーカーを、けちょんけちょんで少し怪しいんですよね。

失礼ながら副会長さんに質問なんですが、music5とdynaudio Focus160と比較した感想を聞かせていただきたいのですが。また6畳ワンルームのボロアパートでトールボーイは良いと思われますか?
返信する
コメント、ありがとうございます。 (元・副会長)
2013-08-07 06:41:42
私はmusic5とFocus 160を並べて同時に比較試聴したわけではありませんので断定的なことは言えませんが、大雑把に表現すればmusic5は美音調でFocus 160はモニター調でしょうか。

・・・・ただし、music5が美音だと言ってもイタリア製やフランス製のスピーカーみたいな調味料を利かせた音とは違う、「素」の美しさが感じられるモデルだと思いますし、Focus 160はモニター調だなんて書いてますけど、スタジオで使うスピーカーとは異なる「コク」があります。

それと、music5はキャラが明確な分、どんなアンプと繋げてもその持ち味が発揮出来るような気もしますし、対してFocus 160は逆に駆動するアンプのカラーや質を前面に出してくる展開になるのではと想像します。

両者の中高域のレンジ感はほぼ同等かと思いますし、低域の伸びも変わりないと感じます(まあ、量感に関しては筐体の大きなmusic5に分がありますが ^^;)。どちらを選んでも良いと思いますし、あとは「好み」の問題でしょう。

(注:以上のことはあくまで、私個人の感想に過ぎません。他の人が違うインプレッションを持つ可能性も大いにあります)

また「ブックシェルフかトールボーイか」という問題については、巷でもいろんな意見が飛び交っていますが、ズボラな私は「クラシックの管弦楽曲を楽しみたいのならばトールボーイ。そうじゃなかったら、ブックシェルフでも構わない」という感じで勝手に決めつけています(笑)。もちろん、六畳間でトールボーイというのも(そのスピーカーが気に入り、なおかつ生活空間が圧迫されなければ)アリかと思います。

なお、Revolverのスピーカーは現時点ではmusic5しか聴いていません。コンパクト型も評判が良いみたいなので、機会があれば接してみたいと思います。

私はmusic5を秋葉原の某店で聴いたのですが、店長が「Revolverはイギリスのメーカーだけど、資本はすでにフランスに移っていて、本場イギリスとは少し違う艶っぽい音を出す」とか「このシリーズはもう日本ではなかなか手に入らなくなる。買うなら早めにね」とか「もしも代理店が変わって再輸入されるようなことがあれば、たぶん今の倍の値段を付けるだろうね。それだけコストパフォーマンスは高いよ」とか、いろいろと述べていました。まあ、真に受けるべきかどうかは分かりませんが、話自体は面白かったです(笑)。

あまり参考にならないレスでごめんなさい。これからもよろしくお願いします。
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Unknown (supitarou)
2013-08-28 22:07:30
返信ありがとうございます。
コメントは読ませていただいていたのですが、返信が大幅に遅くなってしまい大変申しわけありません。

詳しい解説ありがとうございます。どんな質問にも対応できる知識と説得力ある文章には脱帽です。

自分はプレーヤーからスピーカーまでsoulnoteなのですが、イメージですが、(特にスピーカーsm10が)マニアックすぎるんじゃないかと思い、ここらへんに目を付けていたので非常に参考になりました。買えませんけど(泣)


副会長さんと僕の言ってる店は同じ店ですね(笑)
なんか説得力があるんですよね、あの店長さん。本当に倍になるのかな?(笑)
music3は売り切れが多いので価格と汎用性のバランスが取れているんだと思います。

ところで、そこの某店長さんによるとリボルバーはローテルが数年かけて口説き落として提携?してるメーカーだそうです。CDの音の違いがよく分かるので、音楽が楽しくなると言われてました。

僕はここでローテルを聴いてからお気に入りのアンプなのですが、どこでも評判が良いので何故か嬉しいです。色付けが無くて駆動力が高いのでスピーカーの素性を良く出すのでしょうか。あまり詳しくないのですが・・。
吉田苑はRA1520を評価していないみたいなので音色や音の緩さみたいのに非常に厳しいのでしょうね。

乱文・長文失礼しました。
自分の話ばかりしてすいません。これからもブログ楽しみにしてます。UKのインディーバンドまで範疇にしている幅広い音楽ブログも楽しいです。自分はそこらへんしか聴いてないのでBOSEで十分じゃないかと思う今日この頃です(失笑)

こちらこそこれからもお願いします。


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