2025(令和7)年 3月号(No.136) 了雲寺 釈幸華 |
慶聞抄(きょうもんしょう)
かならずかならず
2月の仏教女性会は、お弁当をとって新年会をしました。コロナもあって何年か振りかの、です。それに、昨年3人もの会員さんが往生され、いずれも家族葬のためお別れが出来なかったので、いつもと変わらないお勤めは追悼会になりました。
9年前の新年会の写真があったので見てもらいました。お元気だった頃の懐かしいお顔。それに今は施設に入っておられたり、お体に不自由があったりするので、17人は12人になっていました。
3月15日に、石川南組の親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年の慶讃法要がお勤めになります。宗祖讃仰作法・音楽法要です。もう14年も前になりますが、親鸞聖人750回大遠忌でお参りした時の感動がよみがえります。この後半の和讃が有難くて、最近の朝のお勤めやお逮夜参りでもついこれに。
十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなはし 摂取してすてざれば 阿弥陀となづけたてまつる
煩悩にまなこさへられて 摂取の光明みざれども 大悲ものうきことなくて つねにわが身をてらすなり
この私も念仏の衆生の一人、「心は38歳」と常日頃言っているので、煩悩は人並み以上。
五濁悪世のわれらこそ 金剛の信心ばかりにて ながく生死をすてはてて 自然(じねん)の浄土にいたるなれ
弥陀の本願信ずべし 本願信ずるひとはみな 摂取不捨の利益(りやく)にて 無上覚をばさとるなり
トランプに呼応して、自国ファーストの「極右」が勢いづき、国連中心でやって来た戦後世界が崩壊の危機に瀕しています。新聞、本など読まない人が、SNSを鵜呑みにしてフェイクニュースを拡散するのだからたまらない。
五濁の中の「見濁」と言って、間違った意見が蔓延する状態をいうそうです。昔、グーテンベルクの活版印刷で「魔女裁判」がヨーロッパで横行したことを引き合いにしている記事を読みました。こんな世の中だからこそ、いただいた信心には違いはないのだけれど、お念仏の値打ちがダイアモンド級に輝きます。
弥陀の回向成就して 往相還相ふたつなり これらの回向によりてこそ 心行ともにえしむなれ
弥陀大悲の誓願を ふかく信ぜんひとはみな ねてもさめてもへだてなく 南無阿弥陀仏をとなふべし
往相はいのち終えてお浄土に行く姿、還相はお浄土に着いても残してきた者たちが心配でまたこちらに還ってきてくださる姿。阿弥陀さまのお陰で私は自由自在。どう考えてももう御恩報謝のお念仏しかありません!
最後は、宗祖親鸞聖人が関東のある方に書かれたお手紙で終わります。
この身は いまは としきはまりて さふらへは さだめて さきたちて往生し 候はんすれは 浄土にて かならす かならず まちまいらせ さふらふへし
合掌
天王寺にて・・特急「くろしお」
釈明和の
明かる~く和む今月の一言
厳しい寒さに耐え、立春を迎えてココロもカラダも春に向かっています。
とは言え、まだまだ寒い時もあり、外気と身体の中のアンバランスから自立神経も乱れやすくなり、耳鳴り、めまい、耳の閉塞感を感じる方も多いです。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
先日、新聞で不登校の小中学生は、過去最多の34万人越えを記録し、これは11年間連続で増加している、というのを目にしました。
これが、現代社会の出した結果ですね。この結果が、良い悪いではなく、原因があってこんな結果が出ました、というもの。
仏教では因果と言います。種を蒔けば芽が出るし、木を燃やせば煙が出る。
日本が戦争に負けた時、孤児が増え、少年犯罪が増えました。少年たちが悪かったわけではなく、そうしなければ生きていけなかったわけです。
そして、焼野原からGHQの指導のもと少年法が改定され、家庭裁判所もできました。(朝ドラ「虎に翼」であった!)未来を創る子どもたちの教育として小中学校の9年間の義務教育が生まれました。
そんな夢の教育システムが、100年も経たないうちに子どもたちを苦しめている原因の一つになってきているのです。
ものごとは、それだけ速いスピードで変化しています。諸行無常ですね。
さて、ライフピボットという考え方をご存じでしょうか。
かつての日本人の常識は、教育を受け、仕事に就き、または家庭に入り、老後を迎えるという3段階のすごろくでした。
これからは、教育を選択し、仕事は何回も変え、死ぬまで何らかのカタチで社会に関わっていく、という人生をカスタマイズする生き方に変わるそうです。
なので、今の常識で判断して、その親御さんや子どもたちに余計なプレッシャーをかけないようにしたいものですね。 合掌
*カスタマイズする・・パソコン用語。既存のものに手を加えること。自分好みに作り変えること。
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