猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

恐怖の報酬

2012-07-10 03:02:15 | 日記
「恐怖の報酬」という映画を見た。1953年にカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した
モノクロ映画。タイトルだけは知っていて、ずっと見たかったのだ。
主演はイブ・モンタン(若い!)。
中米の貧しい町が舞台になっている。そこは流れ者が多く住み、皆食い詰めて、
遊んで暮らしている。。ほこりっぽい画面がよく雰囲気を出している。
マリオ(イブ・モンタン)もそんな当てもない暮らしを送っている1人だ。
そこへジョーという、昔は顔役であったらしい男がやってきて、同じフランス人である
ことからマリオとジョーは意気投合する。だがそのため一緒に暮らしていたルイジとの
友情にヒビが入ってしまうマリオ。
そんな時、遠くの油田で爆発火災が起き、火災を鎮めるために、油田までニトログリセリンを
運ぶ仕事が舞い込む。(ニトロでどうやって鎮火させるのか私にはわからないのだが)
非常に危険な仕事であり、立候補した男たちの中から4人が選抜された。
報酬は1人2000ドル。この頃の2000ドルって相当な大金なんだろうな。
そして、マリオとジョーの車、ルイジともう1人(名前忘れた、ユダヤ人)の車、と2台で
大量のニトロを運ぶことになった。命がけの走行である。
車にニトロを積んでいるだけでも危険なのに、道中いくつも危険が待ち受けている。
でもユダヤ人男性は収容所から解放された身で(父親は処刑されている)、命知らずなため、
機転を利かせて道をふさぐ大きな石を爆破させたりする。
そうして、4人は油田へと車を走らせるのだが…

2時間半の映画だが、後半はハラハラしっぱなしで、あっという間に見終わった感じ。
サスペンス映画というと、大体殺人事件が起こって、刑事や探偵が調べて、というものが
多いと思うのだが、殺人を主題としていないサスペンス映画でこんなにおもしろかったのは
初めてではないだろうか。
でもでも、あのラストはあまりにも不幸で皮肉。ああいうところはフランス映画だなあ。

イブ・モンタンがすごくかっこいい。この人の映画はだいぶ年をとってからの映画だけど
「ギャルソン!」とか好きだ。
でもヨーロッパの俳優って、若くて美形の時より、年をとってからの方がずっと良くなるのは
何故だろう。イブ・モンタンもアラン・ドロンもアル・パチーノもジャン・ギャバンも、
もちろん若い時は若い時でステキだけど、おじさまになると更にいい。
この辺アメリカ俳優と少し違う気がする。