猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

アイス・カチャンは恋の味

2013-06-14 03:20:46 | 日記
2010年のマレーシア映画「アイス・カチャンは恋の味」。
ボタック(=丸坊主という意味 アニュウ)の家はカフェを経営している。子供の頃、母の
知り合いの女性が夫の暴力から娘を連れて逃げてきて、ボタックの家の2階に住まわせて
もらうことになった。
女性はカフェの店先で焼きそば売りの出店を開いた。その娘アンチー(アンジェリカ・リー)
はとても気が強く男勝りで、”闘魚”というあだ名で呼ばれていた。
ボタックは子供の頃から、実はアンチーのことが好きだった。
アンチーはガキ大将のマーさえ泣かす。大人になってもその力関係は変わらない。
だがあることをきっかけに、マーはアンチーを好きになり、熱烈に迫るが、相手にされない。
ボタックはアンチーに告白する勇気がないことで悶々として暮らす。
ボタックには足が不自由な兄がいるが、カフェの経営のことでよく父とけんかをしている。
ボタックの母は、アンチーの母が夫の初恋の人だと近所の人に聞かされ、彼女の面倒を見て
いることが複雑に思えてきた。
男性にもてるアンチーの母は、ある男性と再婚しようとするが、アンチーはそれに反発し、
ボタックと一緒に父の家を訪ねる。父には妻と幼い息子がいた。

なんだかバラバラと書いてしまったが、本当にこういう物語なのだ。苦手なロマンチック・
コメディーだが、アンジェリカ・リーが出演しているので見た。
マレーシア映画だが、アニュウやアンジェリカ・リーなど、マレーシア出身の華人が多数
出演しているし、言葉が広東語なので、ほとんど香港映画の雰囲気だ。
アニュウは気弱で情けない感じの顔をしていて、役によく合っていた。
ボタック(そういえば本名は出てこなかったような)の子供の頃からの友人たちが個性的で
おもしろい。
ボタックとマーはアンチーが好き、マーの妹はボタックが好き、ボタックのすごく太った
妹はボタックの友人が好き、その友人はマーの妹が好き、と恋模様も込み入っていておも
しろい。
だがおもしろいだけでは終わらせない、切ない物語だ。

アイス・カチャンとはマレーシア風かき氷のこと。登場人物たちがジュース等を飲む時、
ビニール袋に入れてストローを刺して飲んでいるので、驚いた。
お店があんな飲み物の渡し方をするなんて、びっくりだ。
マレーシアの暑さが伝わってくる映画だったが、向こうの人はクーラーは使わないのかな。