猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ダーク・ブラッド

2014-05-19 02:49:16 | 日記
アメリカ・イギリス・オランダ合作映画「ダーク・ブラッド」を観にいった。
ハリーとバフィーは倦怠期を迎えたハリウッド俳優夫婦。2人は関係を立て直すため、
週末旅行に出掛けるが、車が故障してしまい、無人の荒野で夜を過ごすことになる。
そこはアメリカ南西部、かつて白人がネイティブ・アメリカンを迫害し、核実験を
繰り返していた砂漠地帯だった。
バフィーは助けを呼んでくると言って、遠くにかすかに見えた光を頼りに1人で砂漠を
歩き続けると、今にも倒れそうな小屋が現れる。そこに住むのは、ホピ・インディアン
の血が8分の1流れる青年ボーイ(リヴァー・フェニックス)だった。ボーイはネイティブ・
アメリカンの妻を白血病で亡くして以来、社会との関係を断って1人で暮らしていた。
近くの町で車を修理に出すために、ハリーとバフィーはボーイの小屋で待つことになる。
ボーイはバフィーを手に入れたいという欲望にかられ、バフィーもボーイの純粋さや
危うさに惹かれていき、ハリーとボーイは忌み嫌い合うようになる。

1993年に23歳の若さで急死したリヴァー・フェニックスの遺作である。撮影途中だった
この作品は、クランクアップまで約10日を残して中断されたそうだ。しかしジョルジュ・
シュルイツァー監督が近年になって大病を患い、最後の作品としてどうしても完成した
いと思うようになったという。完成といっても主演のリヴァーがもういないので、足り
ない部分は監督のナレーションで補われている。
正直あまり好きな映画ではない。リヴァーは大好きだが。彼の出演作の中では突出して
異例の役柄だろう。妻を亡くし、孤独で愛を渇望している男。まずリヴァーが妻を亡く
して何年も経った男に見えない。当時23歳だし、その上リヴァーは年よりも若く見える。
この設定にちょっと無理がある気がしたが、それでも監督はリヴァーを起用したかった
のだろう。
そしてバフィー役のジュディ・デイヴィスは有名な女優らしいが、私はあまり魅力を
感じなくて、ボーイがバフィーを好きになる理由がよくわからなかった。美人じゃない
し、かなり年上だし。セクシーな女性ではあるが。
ボーイの狂気を感じさせる演技はさすがだと思った。ボーイとハリーのにらみ合いの
シーンは胸を掴まれるような緊張を感じる。この2人の憎しみがやがて不幸な結末に
向かっていく辺りはとてもおもしろかった。

リヴァーは生きていたらジョニー・デップのような俳優になっていただろうとよく言わ
れている。私も同感だ。顔が似ているのではなく、俳優としての雰囲気が似ているのだ。
ハンサムでセクシーでそれでいてかわいいリヴァー。本当にジョニー・デップみたいだ。
2012年にやっと出来上がった未完の映画「ダーク・ブラッド」。好きなタイプの映画では
ないが、見応えはあった。
生きていて欲しかった、リヴァー。



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