猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ベニスに死す

2015-03-12 21:08:01 | 日記
1971年のイタリア・フランス合作映画「ベニスに死す」。
静養のためドイツからヴェネツィア(ベニス)を訪れることにした作曲家グスタフ・アッシェンバッハ
(ダーク・ボガード)は、その道中、船の中でふと出会った少年・タジオ(ビョルン・アンドレセン)に
理想の美を見出す。その時から彼の魂は完全にタジオの虜になってしまい、タジオの行く所、
いつも、アッシェンバッハの熱い眼差しが後を追った。

ルキノ・ヴィスコンティの名作である。この映画の成功は、何と言ってもビョルン・アンドレセンの
起用によるものだろう。映画史に残る美少年である。初めてビョルンを見た時、こんなに美しい
少年がいるものなのか、と驚いた。まさに北欧系美少年である。
アッシェンバッハは一目でタジオに魅せられた。そして今で言うストーカーのようにタジオを追い、
その美しさを密かに眺める。やがてタジオも、自分に向けられる視線に気づく。
アッシェンバッハは友人とよく芸術や美について意見を戦わせていた。アッシェンバッハにとって
タジオは究極の美であったのだ。
映画はヴェネツィアの風景が美しく、ホテルも豪華だ。ホテルの客たちも着飾っていて、とても
華やか。余程裕福な人たちなのだろうな、と思う。舞台が1911年だし。
しかし、その美しいヴェネツィアには、疫病の影が忍び寄っていた。
美しく、儚く、悲しい映画だった。



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コメント
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