猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

屋根裏部屋の花たち

2015-12-19 04:54:36 | 日記
1987年のアメリカ映画「屋根裏部屋の花たち」。
バレリーナを夢見る少女キャシー(クリスティ・スワンソン)は、両親と医者志望の
兄クリス、双子の弟妹と幸せに暮らしていた。ところがある日父親が突然の事故
で死んでしまう。母親は4人の子供たちを連れて17年ぶりに生家に戻るが、母親の
両親は駆け落ちして家を出ていった彼女をまだ許しておらず、彼女に冷たく当たる。
更に子供たちの祖母(ルイーズ・フレッチャー)は彼らを屋根裏部屋に幽閉してしま
い、彼らは母親とほとんど顔を合わせることなく暮らしていくことになる。

サスペンス映画と言っていいのだろうか、陰惨で後味の悪い物語である。優しい
両親、兄、双子の弟妹と幸せに暮らしていた少女。父親が急死したことで少女
たち兄妹に不幸が訪れる。舞台がかなり昔のアメリカのようで、保険金の制度など
も整っていなかったのだろうか。一家はたちまち困窮し、母親は17年帰っていなか
った実家に、子供たちを連れて戻ることになる。子供たちは母親の実家のことは
何も聞かされていなかったが、とても大きな屋敷で、資産家であることを知る。し
かし最初こそ広い屋敷ではしゃしでいた子供たちだが、祖母は孫たちに冷酷で、
やがては彼らを屋根裏部屋に閉じ込めてしまう。食事を運ぶだけの祖母。母親は
子供たちに、「お父様の許しをもらったら、必ずここから出してあげる」と言い、時々
顔を出していたが、やがて来なくなる。キャシーは母親が裏切って、自分の生活を
楽しんでいるのでは、と疑うようになる。
屋根裏部屋といってもかなり広く、バスルームやトイレもあり、とりあえず生活は
できる。だが日光に当たらないために、幼い双子は弱っていく。気持ちの悪い映
画である。母親を疑うキャシー。信じたい兄クリス。皆不安と絶望にさいなまれる
ようになっていく。祖母役のルイーズ・フレッチャーが無表情で冷たく、怖い。この
人は「カッコーの巣の上で」のファシスト看護婦の人だが、本当にこういう役が似
合う。
終盤は本当に残酷な展開になっていく。いつの時代も、子供より自分の幸せを
優先させる母親はいるものだ。この映画、原作小説があって、原作の方がもっと
気持ちが悪く、ラストも違うらしい。この作者はどうしてこんな物語を書いたのだ
ろう。でも読んでみたい。



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コメント
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