1974年のイギリス・西ドイツ合作映画「オデッサ・ファイル」。
1963年11月22日、西ドイツのハンブルグ。車を走らせていた新聞記者あがりの
ルポライター、ペーター・ミラー(ジョン・ヴォイト)は、突然入ってきたカーラジオの
臨時ニュースに耳を傾けた。それはケネディ大統領暗殺のニュースだった。その
時1台の救急車が彼の車を追い越していった。ミラーは反射的にその後を追った。
それはルポライターとしての本能のようなものだった。事件は1人の老人のガス
自殺だった。現場にはミラーの学友だったハンブルグ警察のブラント警部補が
いた。翌日、ミラーはブラントから老人が残した日記を手渡された。老人はドイツ
系ユダヤ人で、その日記はラトビアのリガにあった収容所での地獄のような生活
を記録したものだった。老人は、リガ収容所長だったSS大尉エドゥアルト・ロシュ
マン(マクシミリアン・シェル)の非人道的な残虐さを呪い、いつか復讐しようとして
いたが果たせず、絶望のうちに自殺したのだった。ミラーはその老人に代わって
その殺人鬼を捜す決意をした。
40年以上前の映画だが、古さを感じさせず、とてもおもしろかった。社会派サス
ペンスで、ジョン・ヴォイトが若々しい。タイトルのオデッサ・ファイルというのは、
実在するもので、元SS隊員で作られた、仲間を助けるために様々な活動をして
いる秘密組織のファイルのことだという。新しい名前や職業を与え、世界のあら
ゆるところで普通に生活していくための組織。そんなものがあるんだなあ。
当然主人公のミラーは危険な目に何度も遭うわけで、ハラハラする。あ~身元が
バレちゃったらどうしよう~、と思いながら観る。この映画のジョン・ヴォイトの演
技はかなりいいのではないか。序盤の老人の自殺はとても悲しい。ナチスの収
容所に入れられた経験がある人は、それを忘れられるはずがないのだ。リガの
収容所長だったロシュマンも実在の人物で、ちょっと調べてみたけど、サディスト
なんだろうな、と思う程残酷な性質だったようだ。
ストーリーは良かったけど、1つ残念に思うのが、ラストでどんでん返し的なエピ
ソードがあるのだが、あれいらなかったんじゃないかなー、ということ。ネタバレ
になってしまうので書けないが、あくまでミラーの目的は自殺した老人の無念を
晴らす、ということにして欲しかった。それと私はテレビ放送で観たのだが、ペー
ターがピーターと字幕に書かれていたのが違和感があった。ドイツなんだから
やっぱりペーターでしょ。
人気ブログランキングへ
映画(全般) ブログランキングへ
1963年11月22日、西ドイツのハンブルグ。車を走らせていた新聞記者あがりの
ルポライター、ペーター・ミラー(ジョン・ヴォイト)は、突然入ってきたカーラジオの
臨時ニュースに耳を傾けた。それはケネディ大統領暗殺のニュースだった。その
時1台の救急車が彼の車を追い越していった。ミラーは反射的にその後を追った。
それはルポライターとしての本能のようなものだった。事件は1人の老人のガス
自殺だった。現場にはミラーの学友だったハンブルグ警察のブラント警部補が
いた。翌日、ミラーはブラントから老人が残した日記を手渡された。老人はドイツ
系ユダヤ人で、その日記はラトビアのリガにあった収容所での地獄のような生活
を記録したものだった。老人は、リガ収容所長だったSS大尉エドゥアルト・ロシュ
マン(マクシミリアン・シェル)の非人道的な残虐さを呪い、いつか復讐しようとして
いたが果たせず、絶望のうちに自殺したのだった。ミラーはその老人に代わって
その殺人鬼を捜す決意をした。
40年以上前の映画だが、古さを感じさせず、とてもおもしろかった。社会派サス
ペンスで、ジョン・ヴォイトが若々しい。タイトルのオデッサ・ファイルというのは、
実在するもので、元SS隊員で作られた、仲間を助けるために様々な活動をして
いる秘密組織のファイルのことだという。新しい名前や職業を与え、世界のあら
ゆるところで普通に生活していくための組織。そんなものがあるんだなあ。
当然主人公のミラーは危険な目に何度も遭うわけで、ハラハラする。あ~身元が
バレちゃったらどうしよう~、と思いながら観る。この映画のジョン・ヴォイトの演
技はかなりいいのではないか。序盤の老人の自殺はとても悲しい。ナチスの収
容所に入れられた経験がある人は、それを忘れられるはずがないのだ。リガの
収容所長だったロシュマンも実在の人物で、ちょっと調べてみたけど、サディスト
なんだろうな、と思う程残酷な性質だったようだ。
ストーリーは良かったけど、1つ残念に思うのが、ラストでどんでん返し的なエピ
ソードがあるのだが、あれいらなかったんじゃないかなー、ということ。ネタバレ
になってしまうので書けないが、あくまでミラーの目的は自殺した老人の無念を
晴らす、ということにして欲しかった。それと私はテレビ放送で観たのだが、ペー
ターがピーターと字幕に書かれていたのが違和感があった。ドイツなんだから
やっぱりペーターでしょ。
人気ブログランキングへ
映画(全般) ブログランキングへ