猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ミレニアム・マンボ

2016-08-24 05:34:53 | 日記
2001年の台湾・フランス合作映画「ミレニアム・マンボ」。
ビッキー(スー・チー)は高校時代にディスコで出会ったハオと同棲している。情熱的な
ハオに夢中になった彼女は、高校も中退してしまった。しかし、楽しいはずの生活は
どんどん荒んでいく。ハオは仕事もせずに毎夜酒とドラッグ、ゲームにパーティー、そ
してクラブ通いだ。更に彼は異常なほど嫉妬深い。ある日ハオは父親の時計を盗み、
質に入れる。それがバレて、父親に問い詰められるハオ。彼はシラを切り通すが、結
局は父親に通報され、2人のアパートへ警察がやってきた。ハオは連行されるが、何
とか釈放される。それでも2人の生活は変わらない。仕方なくビッキーはホステスの
アルバイトを始める。それでも働かないハオの嫉妬は、更にエスカレートしていった。
ビッキーの勤める店に客としてやってくるガオ。この界隈を仕切っているヤクザだ。皆
のトラブルを解決してくれる、とても頼りがいのあるガオに、ビッキーは惹かれていく。

ホウ・シャオシェンのロマンチック・ラブストーリー。ロマンチックと言っても、主人公ビッ
キーの恋人は典型的なだめんず。なんであんな男とわかっても何年も一緒にいるか
なあ。働かない男というのは私の中では最低である。スー・チーのイメージではないの
だけど、あんな男を好きになって高校までやめてしまうビッキーもバカ。私はバカ女も
嫌いだ。
物語はビッキーが10年前のことを語る形で進んでいく。ビッキーはホステスとして働く
店で、ヤクザのガオや台日ハーフの兄弟のDJと知り合う。ダメ男の次はヤクザ(優し
いからって…)。やっぱりビッキーはバカなんだろうな。ハーフの兄弟は日本で生まれ、
祖母が日本で小料理屋をやっている。そこに皆で遊びにいくシーンが好きだ。冬の北
海道の雪景色が美しい。ちょこちょこ日本語が聞こえてくるのも嬉しい。
ホウ監督はどうしてラストシーンを北海道にしたのだろう。どうしてガオが日本へ行った
ことにしたのだろう。理由はわからないが、「なんだかいいなあ」と思った。なんとなく
魅力的で、なんとなく切ない、そんな映画だった。



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