猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

たたり

2019-01-07 23:31:58 | 日記
1963年のアメリカ映画「たたり」。

ニューイングランドの人里離れた場所に、大きな館がぽつんと建っていた。人々は
「丘の家」と呼んでいるが、いまわしい噂があり長い間誰も住んではいなかった。
人類学教授ジョン・マークウェイ博士(リチャード・ジョンソン)は奇怪な幽霊屋敷
こそ、心霊研究に適していると考えた。博士はこの心霊調査のため、10歳の頃不思
議な体験をしたというエレノア(ジュリー・ハリス)と、超感覚的な優れた感受性に
恵まれたセオドーラ(クレア・ブルーム)という2人の女性と、ルーク(ラス・タンブ
リン)という男性を助手として選んだ。グループがこの屋敷で顔を合わせた最初の
夜、女性たちを怪奇現象の恐怖が脅かした。だがエレノアはその恐怖の中にも拒む
ことのできない魅力にとらわれた。

オカルト映画だが、昔の映画なので今時の映画のような怖さはない。だが登場人物
たちの表情やカメラワークで恐怖を演出しているのは秀逸だと思った。いわくつき
の屋敷に心霊研究のために泊まり込んだ人類学教授と助手たち。最初の夜から女性
たちは恐怖を体験する。不審な大きな物音、歪んで勝手に開こうとするドア。幽霊
の姿は一切現れず、物音や気配だけで心霊現象を表現しているのはすごいと思う。
そしてエレノアの性格のうっとうしさ。エレノア役のジュリー・ハリスはあまり美
人ではないが、だからこそこの役に合っていたのだと思う。彼女がセオドーラ役の
クレア・ブルームのような美女だったら、この映画の雰囲気はまた違ったものにな
っただろう。
怖い思いをしながらも、何故か屋敷に魅入られていくエレノア。家が彼女を望み、
彼女も家に惹かれているのだ。でもその理由はわからない。博士に帰るように促さ
れても、拒むエレノア。逆らえない何かをこの家が持っているのだ。まさに「たた
り」である。1ヵ所ホラー映画らしく本当にびっくりするシーンがあった。ああい
うのは心臓に悪い。オーソドックスな幽霊屋敷ものだが、古い映画とは侮れない、
なかなかのおもしろさだった。




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コメント (6)
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