猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

新感染 ファイナル・エクスプレス

2019-04-06 21:34:11 | 日記
2016年の韓国映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」。

ソウルでファンドマネージャーとして働くソグ(コン・ユ)は妻とは別居中で、まだ
幼いひとり娘のスアン(キム・スアン)と暮らしている。スアンは誕生日にプサンに
いる母親に1人で会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届け
ることになる。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとス
アンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人が乗
ったKTX101号にも、謎のウイルスに感染した1人の女が転がり込んでいた。乗客
たちは感染者に捕われれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけ
て決死の戦いに挑む。

珍しいアジアのゾンビ映画。高速鉄道の中で発生したゾンビからいかにして身を守
るかを描いたパニックアクションである。スピード感があっておもしろかった。高
速鉄道の中という閉鎖された場所でゾンビのウイルス感染者なんかが出たらたまっ
たものじゃない。逃げ場がない。主人公が乗った列車に、謎のウイルスに感染した
女が飛び込んできた。倒れたその女を介抱しようとした乗務員は、女に噛みつかれ
る。そして乗務員もまた人に噛みつく。噛みつかれてゾンビになるまでが早い。そ
れにゾンビは動きが緩慢というイメージがあるが、この映画のゾンビはあっという
間に襲いかかってくる。
ホラー要素だけでなく、皆が自分だけは助かりたいと思うがために取る行動で混乱
も生じる、ドラマ部分もしっかり描かれている。主人公のソグでさえ、自分と娘が
助かる方法を携帯電話で会社の人に聞いたりしている。でもそこへ娘の痛烈なひと
言。「パパはいつも自分のことばかり。だからママは出ていったんだ」。元々ソグ
は仕事が忙しく、妻が出ていってからは母親に来てもらい娘の世話を頼んで、自分
はちっとも娘を構っていなかった。しかしソグは後半大活躍をする。
妊婦とその夫が乗っていたが、この夫はまさに英雄だと思う。身を挺して乗客たち
を助けるのだ。野球部の少年も頑張った。それに比べてバス会社の社長だという男
は本当に自己中心的である。この男は最後の最後までそうだった。舞台の大半が列
車の中で、息詰まるような戦いが繰り広げられる映画。おもしろかった。




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コメント (4)
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