猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

21グラム

2019-04-11 22:09:00 | 日記
2003年のアメリカ映画「21グラム」。

大学で数学を教えるポール(ショーン・ペン)は重い心臓病で余命1ヵ月と宣告され、
心臓のドナーを待つ日々。クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)は夫と2人の娘と幸せ
な生活を送る主婦。一方、前科を持つジャック(べネチオ・デル・トロ)は神への信
仰を生き甲斐に妻と2人の子供と暮らしていた。だが、ジャックが起こした悲劇的
な事故をきっかけに、出会うはずのなかった3人の人生が交錯し始める。

重たい人間ドラマ。監督は「レヴェナント:蘇りし者」のアレハンドロ・ゴンザレ
ス・イニャリトゥ。時間軸が細かく交差する構成になっていて、初めの方は少しわ
かりにくかったが、とてもおもしろい映画だった。心臓のドナーを待つポール。夫
と子供と幸せに暮らすクリスティーナ。前科者だが信仰深いジャック。この3人は
出会うはずではなかった。しかしジャックが起こした事故によって出会ってしまう。
その人生が交差し始める。
俳優たちの演技が素晴らしい。ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベネチオ・デル
・トロ、ポールと人工受精のことで関係がぎくしゃくしてしまう妻のシャルロット
・ゲンズブール、皆良かった。私たちも、本来は出会うはずのなかった誰かと、何
かの偶然で出会っているということもあるのかもしれない、と思った。それが幸福
な出会いなら良いが、悲劇的な人生の交錯だったとしたら。1番不幸なのはクリス
ティーナである。彼女は人生の大きな不幸を経験した後、ポールと出会う。そして
お互いに惹かれ合ってしまう。そのことも本来起こり得なかったものだ。
人間は死ぬと体重が21グラム減るという。その21グラムは何なのか。魂の重さな
のか?魂とは何なのか。いろんなことを考えさせられる、見応えのある映画だった。




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コメント (2)
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