猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

必ず捕まえる

2022-03-22 22:15:40 | 日記
2017年の韓国映画「必ず捕まえる」。

いくつものアパートを経営しているシム・ドクス(ペク・ユンシク)は、口が悪い
ことや家賃の催促が厳しいことから、アパートの住人や町の人から煙たがられて
いた。ある日、ドクスのアパートの住人である元刑事のチェ(ソン・ジョンハク)
が首を吊った状態でドクスに発見される。チェ元刑事が自殺したのは前日にドク
スが厳しく家賃の催促をしたからだと町の人に噂されてしまう。そんなドクスの
前に、チェ元刑事の同僚だったというパク・ピョンダル(ソン・ドンイル)が現れ、
チェは自殺ではないと言う。30年前にこの町で起きた連続殺人事件は未解決の
状態で、その犯人が再び犯行を開始し、チェもその犯人に殺されたのだと推察す
る。実際町では老人の不審死が続いていた。犯人の手口によると次は若い女性が
狙われるはず、とピョンダルは言い、ドクスはアパートの205号室の女性のこと
が気になる。そしてピョンダルは2人で犯人を捜し出そうと持ち掛ける。

老人と初老の男性のバディもののサスペンス。こういう組み合わせは珍しいので
はないだろうか。ドクスの所有するアパートでチェという元刑事が首つり自殺を
する。ドクスの厳しい家賃の催促のせいだと噂が立つが、ドクスは納得がいかな
い。ドクスは口は悪いが根は悪い人ではない。前日ドクスはチェの部屋で一緒に
酒を飲み、語り合っていたのだ。ドクスの元に現れたチェの元同僚のピョンダル
は、30年前の未解決連続殺人と手口が同じで、再び犯行を始めたのだと言う。
そして次に犠牲になるのは若い女性だと。ドクスは初め相手にしなかったが、や
がてアパートの205号室の若い女性が行方不明になる。
韓国のサスペンス映画にしては割とコミカルで明るい感じ。グロテスクな描写も
あるが大したことはない。ドクスとピョンダルのキャラクターが個性的でおもし
ろかった。205号室の女性が行方不明になり、ドクスは警察に連絡しようと言う
が、ピョンダルは「通報したら彼女は殺される。その前に俺たちで犯人を捕まえ
よう」と言う。ドクスhその町に長く暮らし、アパートをいくつも経営している
ので町のことを知り尽くしている。そのドクスに協力してもらおうとピョンダル
は考えたのだ。ピョンダルは30年前の犯人を一瞬目撃しているのだが、捕まえ
られなかったことがずっと気がかりだった。
この映画では韓国の経済格差というか、貧困問題にも触れていて、重たい面もあ
る。チェはトラック運転手をしているが腰を痛めて働けない状態だし、205号室
の女性は母親に生活費を送金しているので家賃の支払いが遅れがちだ。彼女がド
クスに言った「この町の人々は一生懸命働いています。でも頑張ってもどうにも
ならないのが現実なんです」という言葉が印象に残った。けれども彼女はドクス
のことを嫌っている訳ではない。「大家さんが本当はいい人だとわかっています。
すぐにアパートを追い出すというけれど口だけだし」と、ドクスのことをちゃん
とわかっている。
物語はコミカルだが結構スリリングで、犯人に監禁された205号室の女性を助け
ることができるのかハラハラする。そしてどんでん返しが2度あって、これには
びっくりした。そうだったんだ!という感じ。更にピョンダルの生命力強すぎ。
犯人に撃たれて死んだと思ったら生きているなんて。絶対に捕まえたいという
執念がすごいのだろうなあ。犯人の動機がちょっと弱い感じがしたけど、全体と
して良く練られていたと思うし、じいさんとおじさん(初老のおじさん)のコンビ
というのがおもしろくて良かった。


ちょっとしたトラブルがあったようです。ベル怒っています