猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ナイル殺人事件

2022-03-07 22:49:41 | 日記
2022年のアメリカ・イギリス合作映画「ナイル殺人事件」を観に行った。

莫大な遺産を相続した富豪の美女リネット・リッジウェイ(ガル・ガドット)は、
親友のジャクリーン(エマ・マッキー)から婚約者サイモン(アーミー・ハマー)
を奪い取っていた。ハネムーンでエジプトへ向かうリネットとサイモンだった
が、彼らを待っていたのは嫉妬と怒りに燃えるジャクリーンだった。ジャクリ
ーンは彼らの行く先々につきまとってくる。私立探偵のエルキュール・ポアロ
(ケネス・ブラナー)はリネットから相談を受けるものの、「まだ何も事件は起
こっていない」と彼女をなだめるしかなかった。ところがある夜、リネットが
客室で射殺されているのが発見される。しかしジャクリーンには完璧なアリバ
イがあった。そして客船には、リネットを殺害する動機を持った者が何人も乗
船していた。

2017年の「オリエント急行殺人事件」に続いて、ケネス・ブラナーが監督・
主演を務めたアガサ・クリスティ原作小説の映画化。この映画は2020年に公
開予定だったらしいが、コロナ禍などの事情により延期になってしまったらし
い。そういえば前作から間が空いているなと思った。ナイル川を行く豪華客船
で殺人事件が起きる。ハネムーン中の富豪の妻が殺されたのだが、彼女に1番
恨みを抱いていた女性には確固たるアリバイがあった。アガサ・クリスティお
得意の「密室殺人」「誰もが犯人の可能性」というシチュエーションで、とて
おもしろかった。
まずエジプトのピラミッドやスフィンクスやアブ・シンベル神殿といった名所
の光景の壮大さに目を奪われる。こういう映像美は映画ならでは。豪華客船に
はハネムーン中のリネットとサイモンが乗船しており、皆が彼らを祝福してい
たが、リネットの友人で彼女から婚約者のサイモンを奪われたジャクリーンは
恨みに燃えていた。ジャクリーンは彼らにつきまとい、サイモンは「いい加減
にしてくれ。僕たちの関係は大したものじゃなかっただろう」と詰め寄ってい
た。リネットも私立探偵のエルキュール・ポアロに相談するが、脅迫を受けて
いる訳ではないからどうにもできないと言う。
リネットが殺されて1番怪しいのはジャクリーンなのだが、船には他にもリネ
ットを憎む者や嫉妬する者が多数おり、リネットも生前ポアロに「富豪だと
誰もが信じられなくなる」と言っていた。そして第2、第3の事件が起きてし
まう。ポアロは事件を防げなかったことに心を痛めつつ、推理を巡らせる。今
までテレビドラマや映画でいろんな人がポアロを演じているが、ケネス・ブラ
ナーのポアロは渋くていい。そして人間的で優しいポアロになっている。原作
のポアロはもっと傲慢で自信家でワガママなのだが、これはこれで魅力的だと
思う。
前作の「オリエント急行殺人事件」に比べると謎解きのおもしろさはちょっと
落ちるかもしれないが(犯人の予想がついてしまう)、映像の美しさ、悲劇的で
ドラマチックなラストは良かったと思う。更なる続編も期待したい。




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コメント (8)
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