猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ファーストラヴ

2022-04-21 22:53:44 | 日記
2021年の日本映画「ファーストラヴ」。

父親を殺害した容疑で女子大生・聖山環奈(芳根京子)が逮捕された。彼女の
「動機はそちらで見つけてください」という挑発的な言葉が世間を騒がせる
中、事件を取材する公認心理師・真壁由紀(北川景子)は、夫・我聞(窪塚洋
介)の義理の弟で弁護士の庵野迦葉(かしょう/中村倫也)と共に彼女の本当の
動機を探るため、面会を重ねるが、二転三転する環奈の供述に翻弄されてい
た。真実が歪められる中、由紀はどこか過去の自分と似た何かを感じ始めて
いた。由紀の過去を知る迦葉の存在、そして環奈の過去に触れたことをきっ
かけに、由紀は心の奥に隠したはずの「ある記憶」と向き合うことになる。

島本理生氏の小説を堤幸彦監督によって映画化したサスペンスであり人間ド
ラマでもある。アナウンサー試験の面接後に父親を刺殺した聖山環奈は、動
機はそちらで見つけてくださいという挑発的な言葉を発し、「美しすぎる殺
人犯」としてセンセーショナルに報道される。公認心理師として知名度のあ
る真壁由紀は、環奈の国選弁護人である庵野迦葉に会いにいく。迦葉は由紀
の夫・我聞の義弟だった。迦葉は「あの子は曲者だよ。本当のことを言わな
い」という。やがて環奈の母親が弁護側ではなく検察側の証人として出廷す
ることがわかり、由紀と迦葉は共闘することにする。
由紀と迦葉はそれぞれ何度も環奈との面会に足を運ぶが、環奈は事件と関係
のない話をしたりと、ちっとも真実を話そうとしない。由紀は迦葉の兄と結
婚しているのにどうして名字が違うのかとかに興味を示し、由紀は迦葉の言
った「あの子は曲者」という言葉に納得する。しかし由紀は環奈は何かにと
ても傷ついているのではないかと思った。それは由紀もであり、由紀は環奈
に対して自分と同じような匂いを感じ取っていたのだ。そして環奈の母親が
検察側の証人として出廷し、「悪いのは娘」と言ったことで、由紀も迦葉も
母親の娘に対する冷たさ、愛情の薄さを感じる。
この映画は女性が観たら少し辛くなるのではないかと思う。由紀も環奈も父
親からのセクシャル・ハラスメントを過去に経験していたのだった。それは
大人になっても彼女たちの心に傷として残っていた。どちらも吐き気がする
ような内容だ。迦葉は由紀に「自分と似たところがあると思って、あの子に
肩入れしすぎていないか」と言う。実は由紀と迦葉は同じ大学の同学年で、
当時交際したことがあり、由紀は夫にそのことを話していなかった。2人の
間にも因縁があったのだった。由紀と迦葉は調査を続けるが、環奈の言うこ
とと周囲の人々の言うことが食い違っており、なかなか事件の真相には近づ
かない。
この物語は言ってみれば主人公である由紀のトラウマからの解放を描いてい
る。環奈の事件が明らかになるにつれて、由紀は救われていくのだ。そして
それは環奈の方も同じだった。地獄のようだった環奈の少女時代。女性はど
うしてそんな辱めを受けなければならないのだろうかと思うと、胸が苦しく
なってしまう。そして迦葉もまたトラウマを胸に抱えているのだ。それはセ
クハラではないけれども。3者3様の心の傷は重たい。悲しく辛い物語だっ
たが、ラストでは希望の光が見えているのが良かった。あと中村倫也がかっ
こよかったし、迦葉という名前も何となく気に入った。


いただきものの魚のオモチャです。鯖かと思ったら鮭だそうです。私はお魚
の全身をあまり見たことがなく、スーパーで売っている切り身しかほぼ知ら
ないので(^^;)









私の腕にもたれかかって寝るノエル













コメント (6)
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