2012年のイギリス・ドイツ・フランス合作映画「ハイヒールを履いた女」。
かつて結婚に失敗した独身女性アンナ(シャーロット・ランプリング)は、娘に
勧められて参加したお見合いパーティーでジョージ(ラルフ・ブラウン)という
男性に出会う。すっかり意気投合した2人はジョージの自宅マンションで一夜
を過ごすが、翌朝、ジョージは死体となって発見される。事件を捜査するため
現場を訪れた刑事バーニー(ガブリエル・バーン)は、そこですれ違ったアンナ
のことが気になり、尾行を始める。
サスペンス・ミステリー。夫と離婚したアンナは、娘と孫娘と一緒に暮らして
いた。娘も離婚したのか未婚の母であるようだ。アンナはある夜娘に勧められ
てお見合いパーティーに参加する。そこでジョージという男性と仲良くなり、
彼のマンションについて行く。しかし翌日ジョージは頭部を強打され死んでい
るのを発見される。通報を受けた刑事のバーニーが現場に駆け付けるが、そこ
でアンナとすれ違う。アンナはエレベーターに忘れた傘を取りに来ており、バ
ーニーとちょっと言葉を交すが、バーニーにはアンナの印象が強く残る。アン
ナは電話ボックスから誰かに電話をかけていた。バーニーはアンナの車のナン
バーから身元を調べる。
ジョージを殺したのはアンナなのか?というのが物語の肝心な部分なのだが、
謎めいたシーンが多くておもしろかった。アンナは娘に「お見合いパーティー
はどうだった?」と聞かれ、失敗だったと答える。それでもアンナは何度かパ
ーティーに行く。こういう中高年向けのお見合いパーティーってあるんだな、
と思った。ジョージの事件を捜査しているバーニーは、アンナに対して怪しい
という思いだけではなく、心惹かれてもいた。そして自らお見合いパーティー
に参加し、アンナに声をかける。アンナは1度バーニーに会っていることを覚
えていなかった。アンナにますます興味を持ったバーニーは単独行動が多くな
り、仲間の刑事たちから不審がられる。
アンナが何度も電話ボックスを利用するシーンが印象的だ。もう携帯電話があ
る時代だが、アンナは持っていないようだ。大抵は自宅に電話をかけ、仕事に
行っている娘に留守電メッセージを残しているようである。アンナが犯人なの
かはなかなかわからないが、ある謎は割と早いうちにわかる。あ~そういうこ
とだったのね、という感じ。それだけでもアンナがとても孤独な女性なのだと
推察できる。それはあまりにも痛ましく悲しい出来事だった。前半のアンナの
あるセリフが伏線になっていて、後でそういうことかと気づかされる。
この映画の時のシャーロット・ランプリングは多分60代半ばくらいだが、美
脚でハイヒールを履いた立ち姿がきれいだった。この人は影のある女性の役が
本当によく似合う。それに本作では主演だが、ちょっとしか登場しない脇役の
時でも強い印象を残すのだ。性格が悪い役の時でも同様で、画面を牛耳ったよ
うになるのがすごい。ラストでバーニーにしがみついて叫びのような泣き声を
あげるのが痛々しい。

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かつて結婚に失敗した独身女性アンナ(シャーロット・ランプリング)は、娘に
勧められて参加したお見合いパーティーでジョージ(ラルフ・ブラウン)という
男性に出会う。すっかり意気投合した2人はジョージの自宅マンションで一夜
を過ごすが、翌朝、ジョージは死体となって発見される。事件を捜査するため
現場を訪れた刑事バーニー(ガブリエル・バーン)は、そこですれ違ったアンナ
のことが気になり、尾行を始める。
サスペンス・ミステリー。夫と離婚したアンナは、娘と孫娘と一緒に暮らして
いた。娘も離婚したのか未婚の母であるようだ。アンナはある夜娘に勧められ
てお見合いパーティーに参加する。そこでジョージという男性と仲良くなり、
彼のマンションについて行く。しかし翌日ジョージは頭部を強打され死んでい
るのを発見される。通報を受けた刑事のバーニーが現場に駆け付けるが、そこ
でアンナとすれ違う。アンナはエレベーターに忘れた傘を取りに来ており、バ
ーニーとちょっと言葉を交すが、バーニーにはアンナの印象が強く残る。アン
ナは電話ボックスから誰かに電話をかけていた。バーニーはアンナの車のナン
バーから身元を調べる。
ジョージを殺したのはアンナなのか?というのが物語の肝心な部分なのだが、
謎めいたシーンが多くておもしろかった。アンナは娘に「お見合いパーティー
はどうだった?」と聞かれ、失敗だったと答える。それでもアンナは何度かパ
ーティーに行く。こういう中高年向けのお見合いパーティーってあるんだな、
と思った。ジョージの事件を捜査しているバーニーは、アンナに対して怪しい
という思いだけではなく、心惹かれてもいた。そして自らお見合いパーティー
に参加し、アンナに声をかける。アンナは1度バーニーに会っていることを覚
えていなかった。アンナにますます興味を持ったバーニーは単独行動が多くな
り、仲間の刑事たちから不審がられる。
アンナが何度も電話ボックスを利用するシーンが印象的だ。もう携帯電話があ
る時代だが、アンナは持っていないようだ。大抵は自宅に電話をかけ、仕事に
行っている娘に留守電メッセージを残しているようである。アンナが犯人なの
かはなかなかわからないが、ある謎は割と早いうちにわかる。あ~そういうこ
とだったのね、という感じ。それだけでもアンナがとても孤独な女性なのだと
推察できる。それはあまりにも痛ましく悲しい出来事だった。前半のアンナの
あるセリフが伏線になっていて、後でそういうことかと気づかされる。
この映画の時のシャーロット・ランプリングは多分60代半ばくらいだが、美
脚でハイヒールを履いた立ち姿がきれいだった。この人は影のある女性の役が
本当によく似合う。それに本作では主演だが、ちょっとしか登場しない脇役の
時でも強い印象を残すのだ。性格が悪い役の時でも同様で、画面を牛耳ったよ
うになるのがすごい。ラストでバーニーにしがみついて叫びのような泣き声を
あげるのが痛々しい。

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