猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

モーリス

2015-06-05 03:10:43 | 日記
1987年のイギリス映画「モーリス」。
1909年、ケンブリッジ大学。モーリス・ホール(ジェームズ・ウィルビー)は知的な
クライヴ・ダーラム(ヒュー・グラント)と親密になり、ほどなく互いに恋愛感情を
抱くようになるが、高潔なクライヴは肉体関係を拒み通したまま学生時代を終える。
社会に出て大人になってからも付かず離れずの友情は続くものの、自らの性衝動を抑え
られず、孤独に苛まれる2人は、やがて互いを傷つけ合うようになっていく。

ずっと観たかった映画だが、とても良かった。まだイギリスで同性愛が犯罪だった時代、
愛し合いながらも別々の道を選ぶことになった青年たちの、大学時代から数年後までを
描いた物語である。
モーリスとクライヴは、出会い、惹かれ合う運命だったのだと思った。けれども積極的な
モーリスに比べ、クライヴは苦悩する。そして女性と結婚することを決める。モーリスは
「自分の性癖は治らないのか」と医師の元を訪れたりするが、変わることはなかった。
イギリス(だけではないだろうが)の人って、あんなに頻繁に友達の家を行き来して、
泊まっていったりするものなのだろうか。モーリスとクライヴは家族ぐるみの付き合いを
しているが、あれは2人とも上流階級で、大きなお屋敷があるから出来ることなんだろう
な~、と思う。昔のヨーロッパの小説にはこういうシーンがよく描かれている。
モーリスとクライヴの付き合いは、クライヴが結婚してからも続くのだが、モーリスは
クライヴの屋敷の猟場番のアレック(ルパート・グレイブス)に性癖を見抜かれ、強引に
関係を持つことになってしまい、モーリスとクライヴの進む道は決定的に違うものと
なってしまう。
すごくいい映画だった(私は腐女子ではない)。とにかく映像がきれい。20世紀初頭の
イギリスの風景、ケンブリッジ大学、大きなお屋敷、調度品、何もかもがロマンチック。
学生たちの正統派ブリティッシュ・トラッドの服装も素敵だった。そしてやっぱり特筆す
べきは、若いヒュー・グラントの美青年ぶりだろう。ルパート・グレイブスも美形だった。
まさにイギリス美青年。



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私は告白する

2015-06-02 02:51:53 | 日記
1953年のアメリカ映画「私は告白する」。
カナダ・ケベック市の神父マイケル・ローガン(モンゴメリー・クリフト)は、ある夜、教会で
働くオットー・ケラーから、強盗殺人を犯したとの告解を受ける。犯行時にケラーが僧衣を
まとっていたことからローガン神父に疑いがかかるが、神父は戒律によりケラーの告白を
他言することができない。しかもローガン神父は犯行のあった夜、国会議員の妻ルースと
会っていたために、ますます警察から疑われてしまう。

アルフレッド・ヒッチコックのサスペンス映画である。ドイツからの移民であるケラーは、夫
婦で教会に職を得て、ローガン神父には親切にしてもらっていた。そのケラーが強盗殺人
を犯し、ローガン神父に告解をする。そのことでローガン神父は事件に巻き込まれてしまう。
被害者の家から神父が出てくるのを見たという情報により、警察は町中の教会の神父を
調べるが、アリバイがはっきりしないローガン神父に疑いがかかってしまう。
ケラーはなかなか悪い男で、自分に良くしてくれていたローガン神父に、恩を仇で返すよ
うなこともする。一方で、ローガン神父が警察に自分のことを言わないかとハラハラしても
いる。警察に疑われても本当のことが言えないローガン神父は、気の毒である。彼は神父
になる前に恋人だったルースと会っていたことがわかり、ますます窮地に立たされる。
追い詰められていくローガン神父を、モンゴメリー・クリフトが繊細に演じている。悲惨な
結末だが、おもしろかった。ただ、ラストがちょっとあっさりしすぎていたのが気になる。
まあ古い映画だし、仕方ないのかな。
モンゴメリー・クリフトは美形俳優だったが、45歳の若さで亡くなった。残念である。



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