2016年の日本映画「ケンとカズ」。
悪友であるケン(カトウシンスケ)とカズ(毎熊克哉)は自動車修理工場を隠れみのに
して覚せい剤の密売で金を稼いでいたが、ケンは恋人が妊娠したことをきっかけに、
彼女と生まれてくる子供のために人生をやり直そうと考えていた。一方カズは、認
知症の母親を施設に入れるために金が必要であり、密売ルートを増やすべく敵対グ
ループと手を組むが、元締めのヤクザに目をつけられ、次第に追い詰められていく。
不良の友人同士の犯罪や人生を描いたドラマ映画。いかにも日本のマイナーな映画
らしく、とても暗い。出演者もテレビなどで見かけないような人たちばかりなので、
妙にリアルな感じがする。
ケンとカズは自動車修理工場で働いているが、裏で覚せい剤の密売をしている。し
かし2人の考え方は変わりつつあった。ケンは同居している恋人が妊娠したため、悪
いことをやめて真っ当な生き方をしたいと思うようになるが、カズは認知症の母親
を施設に入れるためにもっと金が必要だった。カズは更なる悪事に手を染めるよう
になる。
カズの母親は死んだ夫がまだ生きていると思い込んでいて、カズによく「お父さん、
遅いわねえ」などと言っては、カズに「親父はとっくに死んでんだよ。何度も同じ
こと言わせんな」とすごまれる。この母親は精神病のようにも見える。カズが子供
の時ひどい虐待をして、その後「ごめんね、ごめんね」と言ってカズを抱きしめた
りしていたので、昔から精神に異常をきたしてはいたのだと思う。こんな母親と暮
らしていたらカズがグレるのも無理はない気がする。私だってイライラするし、「
何度も言わせんな」と言うかもしれない。
ケンの恋人にもまたイラッとした。後半彼女はケンと別れることを決めるのだが、
それは仕方ないとして、「この子(お腹の中の子)にはちゃんとした父親が必要なの
」って言い分は何なのだ。ケンと別れて、お腹の子の父親になってくれるちゃんと
した男性を捜すつもりなのか?そんな妊娠中の女の面倒を見ようというお人好しの
男性はそういないと思うのだが。あまりにも甘いし厚かましいのではないだろうか。
「私が1人で育ててみせる」ならわかるのだけど。
後半は暗さが加速していき、悲劇へと向かっていく。絶望的な結末はなかなかに好
みである。カズの母親とケンの恋人、2人の女にはイラッとさせられたが、ラスト
シーンは良かった。監督・脚本は小路紘史という30歳そこそこの人である。若い人
が作った映画だなあ、という雰囲気が全編に漂っている。
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悪友であるケン(カトウシンスケ)とカズ(毎熊克哉)は自動車修理工場を隠れみのに
して覚せい剤の密売で金を稼いでいたが、ケンは恋人が妊娠したことをきっかけに、
彼女と生まれてくる子供のために人生をやり直そうと考えていた。一方カズは、認
知症の母親を施設に入れるために金が必要であり、密売ルートを増やすべく敵対グ
ループと手を組むが、元締めのヤクザに目をつけられ、次第に追い詰められていく。
不良の友人同士の犯罪や人生を描いたドラマ映画。いかにも日本のマイナーな映画
らしく、とても暗い。出演者もテレビなどで見かけないような人たちばかりなので、
妙にリアルな感じがする。
ケンとカズは自動車修理工場で働いているが、裏で覚せい剤の密売をしている。し
かし2人の考え方は変わりつつあった。ケンは同居している恋人が妊娠したため、悪
いことをやめて真っ当な生き方をしたいと思うようになるが、カズは認知症の母親
を施設に入れるためにもっと金が必要だった。カズは更なる悪事に手を染めるよう
になる。
カズの母親は死んだ夫がまだ生きていると思い込んでいて、カズによく「お父さん、
遅いわねえ」などと言っては、カズに「親父はとっくに死んでんだよ。何度も同じ
こと言わせんな」とすごまれる。この母親は精神病のようにも見える。カズが子供
の時ひどい虐待をして、その後「ごめんね、ごめんね」と言ってカズを抱きしめた
りしていたので、昔から精神に異常をきたしてはいたのだと思う。こんな母親と暮
らしていたらカズがグレるのも無理はない気がする。私だってイライラするし、「
何度も言わせんな」と言うかもしれない。
ケンの恋人にもまたイラッとした。後半彼女はケンと別れることを決めるのだが、
それは仕方ないとして、「この子(お腹の中の子)にはちゃんとした父親が必要なの
」って言い分は何なのだ。ケンと別れて、お腹の子の父親になってくれるちゃんと
した男性を捜すつもりなのか?そんな妊娠中の女の面倒を見ようというお人好しの
男性はそういないと思うのだが。あまりにも甘いし厚かましいのではないだろうか。
「私が1人で育ててみせる」ならわかるのだけど。
後半は暗さが加速していき、悲劇へと向かっていく。絶望的な結末はなかなかに好
みである。カズの母親とケンの恋人、2人の女にはイラッとさせられたが、ラスト
シーンは良かった。監督・脚本は小路紘史という30歳そこそこの人である。若い人
が作った映画だなあ、という雰囲気が全編に漂っている。
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